▽mission115 ページ21
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「や、でもそういう意味で好きになる予定全くないんで…………」
そう言ってひらひらと手を振れば梓さんは安室さんの方を向く。
「こ、これは手強いですね…………」
「そうなんですよ…………」
真剣な顔の梓さんに苦笑を返した安室さんが、ふと外の方に目をやった。
その形の良い眉がぴくりと動いたのを見て、私はバッとドアの方を向く。
私たちの様子を見た梓さんが不思議そうに首を傾げた。
「二人ともどうかしたんですか?外に何か…………」
「あっちょっ待っ何故このタイミングで来たオキスバ謀ってんのか!?!?!あっお疲れさまでしたお先に失礼します〜〜!!!!!!」
「えっちょっとAちゃん!!?!?!」
何事かと制止する梓さんに勢いよく頭を下げ、今にもポアロに入ろうとしてきていた沖矢さんを押し出す形で外に出る。
「お迎えにあがりましたよ、マイレディ?」
「なんでわざわざポアロまで来るんですかね?!追及されるの私なんですけど!!!」
「おっとそれは失礼」
「ぜってぇ思ってねえ〜〜〜〜…………」
大学院生にしてはやたらと引き締まった胴体に気持ち強めに拳を入れてみるも全く効かない。知ってた。FBI随一の捜査官にド素人のパンチが効くわけねえ。
「いやもう来ちゃったもんはいいや早く行きましょスバッさん、」
「と、年上彼氏……!!!」
「ほら梓さんが水を得た魚みたいになっちゃうからあ〜〜〜…………」
ポアロの前でいつまでも揉めているわけにはいかん、と沖矢さんの腕を掴んで歩き出そうとしたが時すでにおすし。
目を輝かせた梓さんがポアロの入り口から顔を出してこちらを凝視していた。
それに気付いた沖矢さんがフッと笑って軽く頭を下げる。
「沖矢昴と申します、Aがお世話になっているようで……」
「あっごめんなさい、榎本梓です!こちらこそAちゃんがウチに来てくれたおかげで大助かりしてます」
「それはそれは……では、我々はこれで」
ママかな?ていうか安室さん出てこないのな?
と思いながら店内の方に目をやれば真顔でガン見されていた。怖いからそっと目を逸らしながら沖矢さんの後ろに隠れた。
沖矢さんの背中から顔を出して梓さんに頭を下げる。
「なんかすみません梓さん、お先失礼します……」
「ふふ、また色々聞かせてね♡」
「ピエッ……」
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Skyでツンニキになりたい雀 - ミステリアスでアダルティックな感じの男の人を観賞用としてみる夢主ちゃんちゅき。 (2021年10月29日 23時) (レス) @page3 id: 11ee266d0f (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - シリアル増し増しでめちゃくちゃ面白いです! (2021年7月13日 15時) (レス) id: 36860c259a (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続編も楽しみです。よろしくお願いします。 (2019年7月25日 15時) (レス) id: 0b8d839863 (このIDを非表示/違反報告)
空白@吹部@Tp@不定期浮上(プロフ) - トッケビ通じますわ辛い、、、((( (2019年7月21日 19時) (レス) id: a83a008361 (このIDを非表示/違反報告)
natsukomizumura(プロフ) - 超すきです!応援してます! (2019年6月17日 7時) (レス) id: 2c9aa8af7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:斗 | 作成日時:2019年5月3日 14時