【名探偵コナン】東大生、頑張ってみるってさ。2

▽mission55 ページ9

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夕飯がまだだと言えば今日の余りだというロールキャベツが出てきた。美味しかった。


付け合わせのサラダをもぐもぐしているとパソコンを持った沖矢さんが私の前に座る。


そのままカチャカチャとキーボードをいじり、一枚の写真を私に見せた。





「この写真の女性に見覚えは？」

「…………」




プチトマトを口に放り込む。

うん、美味しい。




「彼女は今日事件に巻き込まれてしまった子供たちを助けてくれた女性です。見覚えは？」




きゅうりとレタスをフォークに刺して口に運ぶ。

この食感たまらんなあ。




「……今晩は風が強いですから外はきっと寒いでしょうね」

「確かシェリーです」

「やはり知っていましたか」




野宿の圧に屈した。

むすっとしながらもきゅもきゅサラダを食べ続ける私を満足そうに見てから沖矢さんは写真の指元を拡大する。





「このリングが何か分かりますか？」

「婚約指輪？お洒落ですね」

「違います」




これはミステリートレインパスリングと言って……とご丁寧にベルツリー急行の説明をしてくれる沖矢さん。


めちゃくちゃに嫌な予感がする。





「シェリーがベルツリー急行に乗るという情報が組織に握られている可能性がある。君にはシェリーを守る手伝いをして欲しい」

「んあ〜〜〜〜断りにくい文言きた〜〜〜〜」

「はて、何のことでしょう」




赤井と沖矢を巧みに使い分ける赤井(沖矢)に頭を抱えた。


シェリーを『守る』『手伝い』



めちゃくちゃ買いかぶられてる気がしないでもないが、基本的に人を見捨てられない性分が見破られている。



やだァ〜〜〜〜………………






「…………沖矢さん、私のこと買い被りすぎなのでは……？？？？？」

「情報は何よりも強力な武器です」

「ヤダァこの人色々吐かせる気満々じゃん……」

「まさか」





あはは、と胡散臭く笑う沖矢さんをじとっと眺める。

沖矢さんはふと真面目な顔をした。





「…………何、俺の正体を知っている数少ない人間だからな、君は」

「利用価値が高いってか〜〜〜〜これからバンバン泊まりにきてやる………………」

「飛んで火に入る夏の虫か？」

「美味い飯が食いたい」








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