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柚木side
初療室で待機していた藍沢先生、緋山先生、藤川先生、冴島さんと私で治療を開始する。
「これは、なかなか厳しそうだな」
と患者の状態を一目見て、藤川先生がつぶやいた。
「やれるだけやろう」
という藍沢先生にうなづき、全員が処置に集中する。
「エコー持ってきて。こっちCV入れるよ」
「Aライン入れます」
「頭部CTオーダーして」
「瞳孔散大」
声が飛び交うなか、なぜかはるちゃんだけが動きを止めている。
どうしたんだろう・・・?
と、一瞬考えたのだが、すぐに処置を再開した。
『・・・・冴島さん?』
雪村さんがCTオーダーの電話を入れようとして異変に気付いた様だ。
「・・・・いいから早く、オーダー ━━」
と答えたはるちゃんだが、態勢を崩した。
つかまろうとワゴンに手を伸ばしたが間に合わず、そのまま倒れ込んでしまった。
それと同時にワゴンも倒れ、その音で全員が振り向く。
「冴島さん!?」
はるちゃんの腰の辺りからじわじわと血が流れでて、床が赤く染まっていく。
「はるか!」
と言う藤川先生を制して
「私が診る」
とみほちゃんがはるちゃんに駆け寄った。
バスタオルで腰回りを保護してから、体を調べる。
「・・・まずい、娩出が始まってる」
というみほちゃんの言葉に藤川先生の顔から血の気が引いていく。
「・・・え・・・・何?」
と朦朧とする意識のなか、はるちゃんは必死にみほちゃんの声を聞こうとしている。
「分娩室まで運ぶ時間ないわ。処置室空いてる?」
と言う緋山先生に
「はい」
と雪村さんがうなずく。
「そっちの初療ベッドに運ぶわ。手貸して、早く!」
「ここはいいから、行って」
と言う白石先生の配慮に藤川先生は
「すまん」
と応じ、藤川先生、緋山先生、広田さんが一緒にはるちゃんを初療室へと運びだす。
突然の事態に動揺するフェロー達に
「お前達は自分の仕事に集中しろ」
と藍沢先生の厳しい声が飛んだのだった。
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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き楽しみにしています! (2022年7月30日 12時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - manaさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて励みになります!テストが終わり次第また更新再開しますので、もう少しだけお待ち下さい! (2017年12月3日 14時) (レス) id: 773a14c9ee (このIDを非表示/違反報告)
mana(プロフ) - こんにちは!!! 素敵なお話ですー! 今後の展開が楽しみですヽ(´▽`)/) 期末…私もやばいな…(苦笑) (2017年11月28日 14時) (レス) id: 2e1de89dff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひかり | 作成日時:2017年11月22日 23時