空に光る星 2

酷いことしたんです… ページ4

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「羽生君…なにか悩みがありそうだね？俺でよければ聞いてあげるけど…」

　シイナさんになら、今のボクの気持ちを話せそうな気がした。

「――――――ボク、好きな子に酷いことしたんです…」

　思い出すだけで泣きそうな気持ちになる。

「酷いって…どんな？」

「―――ボクの事、好きって言ってくれたのに…ボクは自分の保身のためだけに、彼女の気持ちを受け取ることもせず捨ててしまった…ボクはサイテ―な男なんです…」

　そう―――ボクはAを泣かせてしまったサイテ―なヤツ。

「それって、両想いなのに？ってこと？」

「―――そうですね…」

　ボクがAに自分の気持ちを言えてたなら、シイナさんの言うように両想いのはずだった。

「――――――ビイ太の奴め！羽生君に余計なこと吹き込みやがって…」

　シイナさんは少し考えた後、静かに話し始めた。

「俺が振られたのは、全部俺が悪いからなんだぞ…」

　シイナさんは思い出すよう、遠くを見るような目をして話しを続けた。

「彼女が淋しいって電話してきても、俺は彼女の為に何もしてあげなかった…優勝する事が彼女の喜ぶ事だと誤解して…彼女の為だと練習ばかりして、かまってやれなかった…彼女の悩みに気付いてやれなかったんだ…」

　悲しそうなシイナさんの横顔。

　どんなに彼女さんの事を愛していたのか…

「なにもかも全部スケートのせいにして、彼女の淋しさも気付けないでいたバカな男さ。」

　そう言ってシイナさんはフフッと笑った。



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