空に光る星 2

幸せだよ… ページ16

*



「―――ゴメン…なんか泣いちゃって…」

「私も泣いたから、おあいこ？―――じゃないよね？私の方がいっぱい泣いたし…」

　クスリとキミが笑う。

　つられてボクも笑う。

　こんな普通の風景が今はこんなにも嬉しい。

　Aに逢い、想いを伝えた分だけ気持ちが楽になったんだろうな…

　そう言えば涙はストレスを洗い流してくれると聞いたことがある。

　少しの涙でも、きっと心が軽くなったんだろう。



「送ってくよ…」

　Aに、そう告げ教室を出た。

　校舎の外は、すっかり日が落ち季節外れの雪は、すでにやんでいた。

　全力で走った坂を今はキミと並んで歩く。

　手を伸ばせば触れられるほど、すぐ傍にキミがいる。

　ただそれだけで嬉しい。


　コートの袖口から見え隠れするキミの指先が、ささやいてる。

「触ってもいいよ…」って…

　歩くたび揺れるキミの指先が誘ってる。

「手、つないで…」って…


　恐る恐る、Aの指先に手を伸ばす。

　愛しいキミの手のひらを包むように握り締めた。

　キミは少しビックリしたみたいに肩をすくめたあと嬉しそうに笑った。

　まるで手のひらに心臓が移動したみたいにドクドクと脈打ち熱くなっている。

　指先に意識が集中して、話す言葉が見つからない。

　キミは今、どんな顔してるの？

　盗み見るように横顔を覗くと、キミは赤い顔して口元に笑みを浮かべていた。

　キミも、幸せなの？

　ボクも、幸せだよ…



*

ずっと前から…→←変えてしまったんだよ…？

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