空に光る星 2

プロミス ページ20

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　それからしばらくの間、羽生君と電話で話した。

　転校してからのこと、新しいクラスメイトのこと。

　それから――― シイナさんのこと…

　シイナさんは世情に疎い私でも知っているくらい超有名な選手だ。

　そのシイナさんの過去を知って羽生君が悩んでいたこと―――


　何も知らずに自分一人が、辛いとか、苦しいとか思い込んでいた事が恥ずかしくなった。

　転校前に言った羽生君の言葉の裏に、こんな想いが込められていたなんて…

　何も知らなかったとはいえ、それを言わせてしまったのは間違いなく私だったのだ。

　辛く苦しかったのは、私ではなく羽生君のほうだったのだ。


　羽生君が羽生君でいられるために、何ができる？

　私が私でいられるために、今、何ができる？

　心の中で考える。

　
　羽生君にどんなことがあろうとも、私が一番の理解者でありたい。

　遠く離れていても応援し、励まし続けることは出来る。

　一番のファンになって支え続けていきたい。

　体は離れていても心はすぐ傍にいるのだから…

　不安は感じないと言えばウソになる。

　それでも信じていられる。

　羽生君と約束したから…


「ボクは行くんだ！ソチオリンピックへ！！必ずソチへのキップをこの手でつかみ取ってみせる！そしたら―――Aを迎えに行くから…待ってて…必ず迎えに行くから…」


　待ってる…

　私、羽生君を信じて待ち続けるよ…

　迎えに来てくれるその日まで…



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