柱の少女は、狙われ体質。弐

漆拾肆 ページ27

童磨は私との距離をじりじりと詰める。

それに伴い、狭い部屋の中で私は後退りする。






『今さら私を殺して喰おうって話……？べ、別にいいけど鬼舞辻無惨に殺されるんじゃないの？』



童磨「違うよ。俺は君を殺さないし喰わないさ。ただこの気持ちが恋っていうやつなのかどうか確かめたいだけ。」






『な、何言ってんの……？あんた脳味噌腐ってるんじゃない？』




とうとう童磨に押し倒された。この部屋の中じゃ逃げ場もない。手は上で拘束されてしまった。鬼のくせにしては無駄に整った顔面が近づいてくる。









数ヶ月前、蝶屋敷で実弥と昔話をした。そんでその後、実弥にキスされて……

驚いたけど、何故か嫌じゃなかった。あの時のことを思い出すと顔に血が登ってしまう。

実弥以外と……ましてや鬼となんか絶対にしてやるものか！







『いい加減にしろォ!!私と接吻(キス)していいのは実弥だけじゃァ!!』




実弥のことを考えていたらうっかり彼の口調(？)で怒鳴ってしまった。







その勢いで私は童磨に頭突きをかました。炭治郎程じゃないけど私だって石頭なのだ。

すぐに起き上がった私は加えて鳩尾にパンチをお見舞いした。









童磨「いてて……酷いなぁAちゃん。」



……はっと我に返ると、なかなか凄いことを言った気がする。まぁ、本人に聞かれてなければいいか。






『そう簡単に自分のモノにできるとでも思ったか、ばーか！』



近頃、童磨のせいで罵詈雑言が口からスラスラと出てくるようになってしまった。

気をつけなきゃ、またしのぶさんや蜜璃ちゃんに怒られる。






童磨「君は可愛いのに、意地悪な性格だから残念だよ。というか、実弥って誰だい？教えてほしいなぁ。」


『残念な女で結構。実弥はね…強くって、口は悪いけど本当は優しい人なんだよ。あんたの百億倍くらいカッコイイんだから！』





童磨「ふーん。まぁ、これは恋じゃないのかもしれないな。君の顔みてもドキドキしなくなったんだ。……なーんて、恋なんてしたことないから違いも何も分かんないんだけどね！」






童磨はヘラヘラ笑いながら部屋から出ていった。

全く、面倒な男だ。

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童磨に辛辣(ツン)な夢主ちゃんが書いてみたかった……。ただ、それだけ。

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