柱の少女は、狙われ体質。弐

漆拾参【無限城の檻】 ページ25

私が童磨に捕まって、無限城の牢屋(一応部屋)に入れられて何ヶ月が経っただろうか。

ここに日の光は1ミリも入ってこないから今が朝なのか夜なのかさえ分からない。







加えて不思議なことに、私は鬼にされていない。

二日に一度くらいのペースで鬼舞辻が私の様子を見にやってくる。









まだ前世の記憶を取り戻さない私に腹が立ってるらしく、日に日に向けられる視線が鋭くて痛いものになってきた。

そりゃ、前世なんて知らないし、別人かもしれないから仕方ないでしょ。







けれど、もう時間が無いのは重々承知している。

有効な情報も多少は得られた。





まずは、鬼舞辻は首を斬っても死なないだろうということ。

というか首が硬すぎて私くらいの力だと技の威力と助走がないと斬れない。








攫われた当日に私は鬼舞辻に刀を向けた。だが、鬼舞辻は「斬りたいのなら斬ればいい」と言った。

舐められてて頭にきた私は、呼吸使って刀を振るったけれど、斬ったそばから再生するため、効果はなかったのだ。








私が女だけど、腕力は男にも劣らない自信はある。

故に鬼舞辻の首を斬れるのは悲鳴嶼さんくらいかもしれない。









それともう一つ、鬼舞辻は己の姿を変えることが出来る。女性の姿、さらには子供の姿で私の前に来たこともあった。



その際、全く気配が異なったのだ。これには何年もの間逃げ隠れられるのにも納得するしかなかった。

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