柱の少女は、狙われ体質。

参拾参 ページ33

……あれ





あぁ、そうか





鬼の体が爆発して吹き飛ばされたんだ。



幸い雪の上に飛ばされたから軽傷。






ただ、背中の傷と血気術が効いてしまって体は限界。悲鳴をあげてる。



でも今は、限界を超えなければならない時。






刀を握りしめて立ち上がる。







他の皆は……




実弥は無事そう。


無一郎くんは小屋の瓦礫に挟まれていて動けない。でも意識はあるから呼吸でなんとかできるだろう。


天元さんは、木にぶつかったらしく血塗れ。
脳震盪を起こしてるのかもしれない。


でも皆致命傷でなくてよかった。





まず、すぐに動ける私と実弥だけで攻撃をする。


心臓だ。


心臓以外の体は爆発で自ら壊した。

それで消滅してしまうのを防いだのだ。





でも心臓を潰せば確実に絶命させられる。

心臓からは腕が３、4本生えてくる。




気持ち悪いなぁ。




実弥はその腕を一気に全て斬った。

そして私が心臓を斬るはずだったのだけど。




え？



実弥が斬ったはずの腕がもう再生してる。

避けなきゃ。腕の先の鋭い爪が私へ向かってくる。




避けようと思えば避けられる。


でもそのあとは？


せっかくのチャンスを無駄にするの？







いいや、ここでとどめを刺さなくちゃダメでしょう。




私は鬼の攻撃を恐れず突き進む。




実弥「待て！A！死ぬんじゃねェェ！」


実弥の声もちゃんと聞こえてるよ。


でも


『……ごめん』




『宙の呼吸 壱の型 宙流天運』









鬼の心臓を私の刃が切り裂くのと、私の心臓あたりに鬼の爪が突き刺さるのは同時だった。

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