柱の少女は、狙われ体質。

弐拾陸 ページ27

多分弟の鬼が、私とぐっと距離を縮める。




『宙の呼吸 伍の型 羅天鏡』



素手で殴りかかってくる鬼を防御しつつ、技を繰り出し、攻撃にうつす。


普通なら首を切れるのに、この鬼はものすごくすばしっこくてなかなか刀が当たらない。



雅臣「柱は凄く強いって本当だったんだね。でも僕も強いんだよ。美味しい血の子をいっぱい食べたからね！」



早く細かく動き回りながら鬼はペラペラと喋る。

この鬼、一度も止まらない。間合いを詰め続けてくる。

普通なら、日輪刀を警戒して間合いを開けてくるはずなのに。止まらず続けて攻撃してくる。





最初は私の方が優勢に攻撃していたのに、いつの間にか防御するばかりになっていた。




この鬼、もしや上弦に匹敵する強さじゃないか？









中にいる子供達に危害が加わらないように、外へおびきだす。

いつの間にか雪が降り出した。







雅臣「あれ？柱なのに案外容易いなぁ」



雅臣「血鬼術、氷威吹」








この鬼の血気術は雪を操ることだ。

そして雪を氷にさえ変える。





氷柱のように尖った氷が幾つも私に向かってくる。








『肆の型 流星の舞』



舞うように刀を振り、氷柱の攻撃をかわす。



『ハァ……ハァ……壱の型 宙流天運』

流れるように技を続けて、確実に首を狙った一撃。




雅臣「ぐはぁっっ！」






連続して攻撃したために、かなり体力を消耗したが、首……は逃したものの胴を切断できた。



『ハァ……ハァ……ハァ』





再生する前にとどめをささないと！


胴体を斬られたことに驚いてまだ再生してない。間を詰めて首を斬ろうとした瞬間




後ろに最悪の気配。





雄大「よくも俺の弟を殺そうとしたな？」



背中を長い爪で切り裂かれた。


『ゔっ』


続いて思い切り蹴り飛ばされた。









しくじった……。


鬼はもう1人いたんだ。

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