制裁をする2人【2】

〜79〜 ページ31

音side




今までずっと自分の気持ちに嘘をついてきた



天馬くんのことは好きだった



でもいつしか神楽木のことが好きになってきた



天馬くんがいながらも私に想いを伝えてくれて



私のためになにかをしてくれて



神楽木の笑顔を見ると心がすごく落ち着くんだ



もっと笑わせたいって思うんだ



お母さんのため



って思って天馬くんの婚約者でい続けた



でもそこに"好き"はなくて



遊園地での話は私にも言っているように聞こえた



神楽木のことが好きなのに天馬くんと婚約している



ある意味2人を傷つけてしまっているのかな



だから私は決めたんだ



自分の気持ちに正直になるって






天馬「音お待たせ」



音「天馬くん」



天馬「話ってなに？」



音「ごめんなさい！！」




天馬「...音？」



音「私...私との婚約を破棄してください！」



天馬「どうして？
なにかを不安なことでもあった？」



音「逆なの...

私が神楽木や天馬くんを不安にさせてた」



天馬「音は...神楽木のことが好きなんだね」



音「...ｺｸ」



天馬「僕は音のことがずっと昔から好きだよ」



音「私も天馬くんのこと好きだった」



天馬「"だった"...か」



音「天馬くんはいつもエスコートしてくれて優しくて会うのも楽しかった

でも神楽木との日々もすごく大切で一緒にいればいるほど私の心の中まで見てくれてた」



天馬「心の中...？」



音「私が思っても言えないことを私の代わりに言ってくれたり、私の気持ちに気づいて落ち着かせてくれたり...なにより好きって気持ちを伝えてくれた

神楽木にとって不利な状況でも真っ直ぐに伝えてくれた」



天馬「そっか」



音「私の一方的な気持ちでごめんね？

でも素直でいたいの」



天馬「素直...」



音「だから婚約、破棄してください...」



天馬「僕は破棄してもいいと思ってるよ

好きな人幸せが1番だから

でもこれら僕らだけの問題じゃないからね？

父さんや音のおばさんにも話さないと」



音「うん、ありがと天馬くん」



天馬「音変わったよね」



音「え？」



天馬「神楽木と出会ってから音は素でいることが多くなった

悲しい顔、つらそうな顔、嬉しそうな顔...

全部僕に向けてきたものと全然違う」



音「もとはと言えばAのおかげかな」



天馬「友達...だっけ？」



音「うん、私を助けてくれた友達」

〜80〜→←〜78〜

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す