嫌よ嫌よも好きのうち。( takaki×inoo ) (ページ23)

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ep23 ページ23

side.inoo

「えー、やっぱりやだぁ。」

俺と付き合ったら高木もきっと俺のこと嫌いになって、俺から離れてく。そんなの分かりきってる。高木に好かれたいわけではないけど、嫌われるのはいやだ。

「んー、じゃあお試しで付き合わない？１週間………いや、２週間！」

なんで増えてんだよと思ったけどそこには突っ込まず、

「お試し？」

「うん、仮の彼氏。嫌だったら友達に戻ればいいし、良かったら恋人に昇格。ね、どう？」

お試しとか、やっぱり高木はそういうことに慣れてる感じがすごいする。分かってたんだけどさ。

２週間も付き合ったらきっと俺のこと嫌になっちゃうだろ。

嫌になっても関係は崩れないし、お試し、別にやってもいいかな。

「いいよ。でも本当に２週間だけだよ。」

「よっしゃーーー！じゃあ俺今日から伊野尾くんの彼氏！あ、仮ね、仮。分かってるって。やったーーー！」

大声で騒ぎ出す高木。恥ずかしい。やめてくれよ。

「伊野尾くん、今日うちこない！？」

「やだ。めんどくさい。」

「無理。」

「は？」

「伊野尾くんの真似してみた。でもだめでーす。彼氏の言うことは絶対なので俺の家行きまーす。」

腕を引っ張られて高木の家の方角に連れてかれる。抵抗しようとその場に立ち止まろうとするけど、高木の力の方が強くて簡単に連れてかれる。

もう抵抗は諦めて、仕方なく高木の家に向かう。

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「高木って1人暮らしなの？」

前来た時もだけど、今日も部屋には誰もいない。高木が鍵を開けて電気をつけていた。

「いないよ。親父は小さい頃浮気して出ていっちゃっし、その何年か後におふくろも他の男の家に住み着いちゃって帰ってこなくなった。はは。」

うわ。まずいこと聞いちゃったかな。

なんて返せばいいか分からなかった。

「なんか、ごめん。」

「え？いやいや、全然いいよ。俺一人暮らしの方が楽だし、おふくろが生活費だけはくれるんだよ。だから何も困ってない。」

「そっか。」

でも、高校生で1人暮らしってやっぱり寂しいんじゃないのかな。

前来た時と同じようにソファに座ると、高木が隣に座ってくる。

「じゃあお詫びにキスさせて。」

「うん。

はっ！？さっき全然いいって言ってたじゃん！」

「んー前言撤回。」

ニヤリと笑う高木。

やっぱり高木は嫌いだ。

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