嫌よ嫌よも好きのうち。( takaki×inoo ) (ページ21)

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ep21 ページ21

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「高木！カラオケ行こうぜ！」

「あーごめん。今日伊野尾くんと帰るわ。」

最近伊野尾くん以外の友達と遊びに行くことがほとんどなくなった。毎日伊野尾くんを追っかける日々。

でもそっちの方が随分楽しいんだから不思議。

「高木、友達と遊びにいったほうがいいんじゃない。」

伊野尾くんは俺が付いてきても拒否はしないけど嬉しそうでもない。嫌いから普通くらいには上がったのかな？

「伊野尾くんも友達だから良いじゃん。」

「友達になったつもりないけど。」

顔色１つ変えずスタスタと1人で歩いていく。やっぱりまだまだ前途多難だな。

伊野尾くんの後ろ姿をなんとなくぼーっと見つめていると足が止まった。

ふっとこちらに振り返る。

「なんだよ、帰んねーの？」

「帰る！」

俺のために立ち止まってくれたことが嬉しくて伊野尾くんのいる場所まで走って行き勢いよく抱きつく。

「わっ、なんでいつも抱きつくわけ。」

「可愛いから♡」

「きも」

本当にキモいと思ってるなら無理矢理でも手を剥がせばいいのに。

相変わらずの塩対応のあと、また歩き始めた。

.

「ねー、伊野尾くんてさ、彼女とかいたことあんの？」

歩いて少し経ってからずっと気になっていたことを聞いて見た。またうざいとか言われるのかな。もう高2だし彼女くらいいたことはあると思うけど。

正直、伊野尾くんが女を抱いてるところ、想像出来ない。

「ない。」

「え、ないの！？」

「彼氏なら、ある。」

「ええええ！？」

さらっと言ってるけど彼氏なら、ってかなりの問題発言なんだけど。

伊野尾くん男の人に抱かれたことあるの？

でも伊野尾くんなら俺も普通に抱けそうだし、そんなもんなのかなと自分を無理矢理納得させようとする。

まだ頭が混乱してるなか、伊野尾くんが話し出す。

「女ってめんどくさいじゃん。高木ってよくいろんな奴相手にできるよな。俺には無理だもん。」

いろんな奴の相手、ね。まあ確かにそうなんだけど。

女ってめんどくさいには同感。一回抱いたくらいで彼女ヅラする奴とか、勘違いしてすぐに泣き出すやつとか本当にめんどくさい。

どの女にも本気にならず、取っ替え引っ替えして遊んでるくらいがちょうどいい。

でも今俺はなぜかそこらの女には全く興味がなくなってしまった。