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3.未来のミライ ページ38





あの出来事から数日経っても、私は塞ぎ込んだままだった。

数日間はとにかく泣いた。すると、枯れてしまったようで、急に涙は出なくなった。

目の前で命が散った瞬間が、光を失った仲間の目が、頭からこびりついて剥がれない。

間接的にその死に加担している自分が許せなかった。

もしも、あのとき彼女に投票していなかったら。
もしも、茜の異変にいち早く気づいていれば。

そんなタラレバを並べても仕方ないのは解っている。
どうやったって、もう皆は戻って来ないのだ。


私は自室に閉じこもり、ろくに食事もせず堕落した生活を送っていた。

何もかもがどうでもいい。
生きる意味が見いだせないままの日々は、とにかく辛かった。

大好きで尊敬していた仲間を失ったことで、心にあいた大きな穴がじんじんと痛む。
この隙間は、もう埋まることはないのだろう。



そんな時、自宅に来客があった。
紅愛だった。

長かった髪をバッサリと切り、ショートヘアになった紅愛は、随分と大人びて見えた。

なんとなく気まずい雰囲気の中、彼女は私の様子を見て、心配そうに声をかけた。

「未来……大丈夫?」

「……」

「そうよね、大丈夫なわけないわよね。ごめんなさい」

「ううん、駄目だよね。いつまでもこんなんじゃ」


「ねぇ、未来……もう一度、私とアイドルをやらない?」

「え……アイドル?」


「私達がアイドルとして活躍することが、死んでしまった皆のためにもなると思うの。皆の思いを背負って、2人……いや9人でまたあのステージを目指すのはどうかしら……?」

「返事を急かすつもりはないの。少し頭の隅に置いといてくれたら嬉しいわ」
紅愛は最後にそう付け加えてから帰った。

できるわけがない、と思った。こんな状態ではファンの皆と顔を合わせられない。


でも

それが皆のためになるなら、
それが償いになるなら、

それが私の生きる意味になるのかもしれない。



4.絶望に花束を→←2.紅愛のカクゴ



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設定タグ:絶ステ , 募集企画本編 , デスゲーム , オリジナル作品
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みらーぼーる(プロフ) - 花乃子さん» そうでしたか…💦ありがとうございました🙏 (5月14日 16時) (レス) id: 86351c9672 (このIDを非表示/違反報告)
花乃子(プロフ) - みらーぼーるさん» 公開していたのですが、恥ずかしいので現在は参加者様のみの閲覧に限定させて頂いてます🙏🏻ごめんなさい💦 (5月14日 16時) (レス) id: b739fbefbf (このIDを非表示/違反報告)
みらーぼーる(プロフ) - コメント失礼します!「絶ステ本編・あとがき」を公開する日にちはいつですか?公開する予定はありますか?🤔 (5月14日 16時) (レス) id: 86351c9672 (このIDを非表示/違反報告)
花乃子(プロフ) - 救世主さん» ありがとうございます✨キャラクターは他の方に作って頂いた子達で、素敵なキャラクターばかりだったので本編執筆が捗りました! (5月14日 13時) (レス) id: b739fbefbf (このIDを非表示/違反報告)
救世主(プロフ) - 完結おめでとうございます🥳🎉キャラクターがそれぞれ個性的なのが魅力だと思います👍1人1人に裏の面があったり、設定がしっかりしていて飽きずにずっと楽しく読ませていただきました!とっても面白かったです💗🥰 (5月13日 1時) (レス) @page39 id: 0bbfc75c53 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花乃子 | 作成日時:2023年3月31日 22時

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