2◆ ページ12
◆
それから数時間後、松ヶ谷紅愛は何度目かのクロの説明を聞いていた。
ライブフロアにいるのは6人。
ずいぶんと少なくなってしまった。
明日の自分の命も保証されていない。
こんなことなら、とっととアイドルなんて辞めておけばよかった、とも少し思った。
この悪趣味なゲームが始まってから、メンバーの裏側が垣間見え、ゲーム以外の時間もどことなくぎくしゃくしてしまっている。
こんな状況に置かれているのだから、当たり前かもしれないが。
特に不安なのは、すず。
律がいなくなってから、余計に不安定になっているように思う。
それに、彼女から滲み出ている黒く濁ったものの正体が分からないのだ。
ちらりとすずの方を見る。
彼女は、ただ平然とスクリーンを眺めていた。
『5thGameを発表しま〜す!』
『<サツリクかくれんぼ>!ルールはこちら!』
【鬼2人、ヒト4人に分かれる。
ヒトは10分で好きな部屋に隠れる。
一度隠れたら、その部屋から移動はできない。
10分経ったら、鬼はヒトを探しに行く。
ただし、探せる部屋は1つだけ。
鬼が部屋に入ると、鬼の首輪のカウントダウンが始まる。
30分以内にヒトを殺すと、鬼のカウトダウンは止まる。
そのまま30分経つと、鬼の首輪が起動する。】
全員の表情が曇り始めたのを見計らったように、クロは言った。
『ね、楽しそうでしょ?』
火を見るよりも明らかな絶望に気づいてしまった。
「必ず、2人は死ぬじゃない……」
「……鬼はどうやって決めるの?」
思いきったように心愛が尋ねる。
ヒトは、見つからず生き残るか、鬼に殺されるかの2択。
それに比べて鬼は、ヒトを殺すか、殺されるかだ。
どう考えてもヒトの方が気が楽だ。
何より仲間を殺すなんてできるわけがないと思った。
『お、いい質問だね!鬼はこっちで決めさせてもらったよ!さっそく発表しちゃおうかな!鬼は――』
『松ヶ谷紅愛と屋久谷葵』
「え……」
名前を呼ばれた2人の声が重なる。
『さあ、さっそく始めよう!まずはヒトは好きな所に隠れて!』
『鬼の2人も心配しないでいいよ!道具は用意してあるから!』
クロは愉快そうに笑っていた。
【ACTION】
◆
35人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みらーぼーる(プロフ) - 花乃子さん» そうでしたか…💦ありがとうございました🙏 (5月14日 16時) (レス) id: 86351c9672 (このIDを非表示/違反報告)
花乃子(プロフ) - みらーぼーるさん» 公開していたのですが、恥ずかしいので現在は参加者様のみの閲覧に限定させて頂いてます🙏🏻ごめんなさい💦 (5月14日 16時) (レス) id: b739fbefbf (このIDを非表示/違反報告)
みらーぼーる(プロフ) - コメント失礼します!「絶ステ本編・あとがき」を公開する日にちはいつですか?公開する予定はありますか?🤔 (5月14日 16時) (レス) id: 86351c9672 (このIDを非表示/違反報告)
花乃子(プロフ) - 救世主さん» ありがとうございます✨キャラクターは他の方に作って頂いた子達で、素敵なキャラクターばかりだったので本編執筆が捗りました! (5月14日 13時) (レス) id: b739fbefbf (このIDを非表示/違反報告)
救世主(プロフ) - 完結おめでとうございます🥳🎉キャラクターがそれぞれ個性的なのが魅力だと思います👍1人1人に裏の面があったり、設定がしっかりしていて飽きずにずっと楽しく読ませていただきました!とっても面白かったです💗🥰 (5月13日 1時) (レス) @page39 id: 0bbfc75c53 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:花乃子 | 作成日時:2023年3月31日 22時