夏の思い出【青】 (ページ11)

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深呼吸して、扉を重々しく開ける。
『…おはようございます。』

自分でも分かる声の弱々しさに恥ずかしくなってくる。

もうやだ、もっとコミュカのある人になれたらよかった。この場から消えていなくなりたい(;;)

こういうのは慣れていないから色々下向きな気持ちになる。

「おはよう!君がAさんだね?」

この人はこの教室の担任の先生だろう。
先生が私に気づき、声をかけてくれる。

『ふぇっ！？』

情けない声を聞かれてしまった。
どうしたんだ私!
さっきまでの威勢はどうしたんだ!

恥ずかしさに負け、弱々しい言葉を吐き出してしまうこれを吐嵯に両手で覆う。

そんな私の姿を見て先生は微笑んで、

「あはは。そんなに緊張しないで。笑顔が1番だよ。」

とまた、にこっと私の顔を見て笑ってくれた。

ここの学校の先生はいい人ばかりすぎる.。

『はい!自然体、ですね！』

「その意気だ!
じゃあみんなの前で自己紹介してください!」

クラスのみんなが一気に静かになって私を集中して見る。

やばいやばい。

こんなの中学の実技テスト以来だ。あるいは生徒会立候補者の応援演説をしたとき以来。

みんなの目がたくさんあってまた体が震える。

大丈夫。

息を吸って、「私』をみんなに教える。

『Aです!
これからこの学校に通うことになりました!
緊張していますが、仲良くしてくれると嬉しいです!
よろしくお願いします!!』