失恋覚悟〈ky〉 ページ10
「あーもう、最悪だよ、ほんとにさぁ。」
人の彼女を好きになってしまうだなんて。しかもそれがフジの彼女とか･･････
「笑えねーよぉ･･････」
そう呟くと、隣にいるヒラが笑う。所詮他人事だとでも思っているんだろう。まぁ実際他人事なんだけど。ヒラの横顔を見つめながらそう思う。
俺の視線に気付いたのか、ヒラがこっちを見る。そういえば。ずっと思っていたことを尋ねようと口を開く。
「ラーヒーはさ、Aのこと好きにならねぇの」
Aは、フジの彼女。初めて紹介されたときは、別に何の感情も生まれなかった。顔は可愛くて、性格は結構サバサバしてる感じの子。最俺のメンバーとAの5人でゲームしたりご飯行ったりするうちに俺の方が惹かれていって。
いけないことってのは分かってる。出会ったときからあっちはフジの彼女で、俺はあの子にとってフジの友達。そういう関係になるのは何があってもダメな話だ。
「恋愛感情はないよ。お友達としては好きだけどね。」
ヒラが答える。そっかぁ、としか返せない。まぁ、そりゃそうだよな。友達の彼女好きになる方が狂ってんもん。
「やっぱダメだよな、こんなの」
手で顔を覆う。今ならまだ間に合う。この気持ちが膨れ上がる前なら。フジにもこーすけにも、Aにもバレる前なら。
話を聞いてくれたヒラにお礼を言おうと口を開くと、ヒラが俺のことをジッと見つめていた。
ヒラの綺麗な瞳が俺を捕らえる。なんだか居心地が悪くて、顔を背けてしまう。
「･･････あのさ、キヨはそれでいいの？」
顔を背けた俺の耳にヒラの声が聞こえる。いいはずなのに、よかったはずなのに、その言葉が耳から離れない。
でも、それじゃあ、
「･･････どうしろってんだよ」
負け惜しみみたいな格好悪い言葉が口から零れる。その言葉にヒラが反応する。ヒラは俺の方を見て何か言いたげな顔をしていたけど、何も言わなかった。
二人だけの部屋に沈黙が続く。
「･･････Aちゃんはさ」
静かな部屋に、ヒラの声が響く。
「キヨから好かれてること、嫌がらないと思う。寧ろ、嬉しいと思うな。」
その言葉に俺は顔を上げる。開いた口から出た声は、酷く弱々しかった。
「うれし、い？」
「うん。てかさ、どんな人でもね。人に好きって言ってもらえたら、嬉しいと思うよ。」
その言葉を聞いて立ち上がった俺に、ヒラは続ける。
「ちゃんと伝えて来いよ。んで、振られて来い！」
〈失恋覚悟〉キヨ
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ふらわぁ(プロフ) - エティシアさん» ありがとうございます！読んでくださるだけですごく嬉しいです。元はといえば話を思い付かない私が悪いので･･････更新は遅いですが、楽しみにして頂けると嬉しいです！！エティシアさんのコメントで頑張れます！ (2020年3月16日 11時) (
レス) id: bd0b8806a1 (このIDを非表示/違反報告)
エティシア(プロフ) - 1話で終われるようなリクエストが思いつかなかったので書けませんでしたが、いつも小説楽しみにしています。何もお手伝い出来ませんがこれからも頑張ってください！ (2020年3月15日 1時) (レス) id: 910526fed8 (このIDを非表示/違反報告)
ねむりねこ(プロフ) - コメ返ありがとうございます！！楽しみにしています！ (2019年11月7日 20時) (レス) id: b1690d9a63 (このIDを非表示/違反報告)
Tiger Flower(プロフ) - ねむりねこさん» コメントありがとうございます！嬉しい、めっちゃ嬉しいです！！一応言っておきますが、ふらわぁとTigerFlowerは同一人物です笑これからも見ていただけたら嬉しいです！ (2019年11月7日 20時) (レス) id: e40e961212 (このIDを非表示/違反報告)
ねむりねこ(プロフ) - 初めてまして！どれもこれも素敵過ぎますっ！応援してます！更新頑張って下さいね！！！！ (2019年11月7日 20時) (レス) id: b1690d9a63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふらわぁ x他1人 | 作成日時：2019年9月20日 22時
