両片想イ〈ky〉 ページ18
※学パロ※
「・・・・・・それでなぁ、」
目の前には好きな奴。話す内容はクラスの別の女子のこと。
「うん」
返ってくるのは聞いてるのか聞いてないのか分からない適当な返事。
「すっげー可愛いの、アイツ。」
嫉妬してほしい、とか。馬鹿だってことは自分が一番分かってる。付き合ってもないし、ましてやコイツが俺のことどう思ってんかも知らない。
「なぁ、聞いてる?」
スマホをいじる彼女に問う。ほんとは、『可愛い』も、『好き』も、コイツに言いたい。別の奴の話でしか言えねぇとか・・・・・・
かっこ、つかねぇし。
「あんま聞いてないかも」
「あのな」
俺が一人で考え事してても、いつだってコイツは変わらない。
「なぁ、」
俺のこと、どう思ってんの?
聞けるものなら聞きたい。男友達なのか、クラスメイトなのか。・・・・・・好きな人、とかだったら良いな、ってな。
「ん、なぁに?」
スマホから顔を上げて返事をする彼女。やっぱり可愛いんだよなぁ。
「いや、なんでもねぇよ」
そう言って立ち上がろうとしたけど、彼女の黒目がちな目が、俺を掴んで放さなかった。
「・・・・・・A?」
名前を呼ぶと、彼女はスマホに目を戻す。つられて目をやると、放置されていたスマホの画面は真っ暗だった。
彼女は動かない。電源ボタンを押すこともなく、画面をじっと見つめている。少し悲しそうに伏せられた長い睫毛が、ゆっくり動く。
どれ程彼女を見つめていただろうか。彼女が顔をあげる。その顔は少し影を帯びた笑顔で。
「告白、したら?」
心臓が、止まったかと思った。
「キヨ、カッコいいし。絶対上手くいくよ」
いつもならすぐ返せる言葉も、出てこない。『まだ見てるだけでいいんだよ』?違う。『そういうのじゃねーから』?違う。
どう返すんだっけ、こういうの。
「あ、ちが」
やっと開いた口から出たのも情けない声。騒ぐクラスメイトの声も、降りだした雨の音も、聞こえない。
「キヨ」
「っ、あぁ、ごめん」
Aが俺の名前を呼んだ。その声でハッとする。思わず謝ると、彼女は大丈夫かと心配してくれる。
何も、変わらない。
「早く、告白してくれればいいのに。気付いてるよ、私」
耳元で、Aが呟く。きっと明日、俺と彼女は関係が変わっている。
〈両片想イ〉キヨ
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長らく更新できずすみませんでした・・・・・・
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ふらわぁ(プロフ) - エティシアさん» ありがとうございます!読んでくださるだけですごく嬉しいです。元はといえば話を思い付かない私が悪いので・・・・・・更新は遅いですが、楽しみにして頂けると嬉しいです!!エティシアさんのコメントで頑張れます! (2020年3月16日 11時) (レス) id: bd0b8806a1 (このIDを非表示/違反報告)
エティシア(プロフ) - 1話で終われるようなリクエストが思いつかなかったので書けませんでしたが、いつも小説楽しみにしています。何もお手伝い出来ませんがこれからも頑張ってください! (2020年3月15日 1時) (レス) id: 910526fed8 (このIDを非表示/違反報告)
ねむりねこ(プロフ) - コメ返ありがとうございます!!楽しみにしています! (2019年11月7日 20時) (レス) id: b1690d9a63 (このIDを非表示/違反報告)
Tiger Flower(プロフ) - ねむりねこさん» コメントありがとうございます!嬉しい、めっちゃ嬉しいです!!一応言っておきますが、ふらわぁとTigerFlowerは同一人物です笑これからも見ていただけたら嬉しいです! (2019年11月7日 20時) (レス) id: e40e961212 (このIDを非表示/違反報告)
ねむりねこ(プロフ) - 初めてまして!どれもこれも素敵過ぎますっ!応援してます!更新頑張って下さいね!!!! (2019年11月7日 20時) (レス) id: b1690d9a63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふらわぁ x他1人 | 作成日時:2019年9月20日 22時