【あんスタ】朔間兄弟の妹 (ページ10)

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泉「♪～♪」

レオ「わははっ！セナは相変わらず歌はへたっぴだな！」

泉「はぁ？れおくんがやたらキーが高い曲ばっか書くからでしょ～？」

レオ「俺はお前なら歌えると思ったんだけどな～」

二人は時々口喧嘩をしながらも、楽しそうに歌い続ける。
その姿に、どんどん惹きこまれていく。

「これが…アイドル……」

熱くて、眩しくて、目が離せない。
ドクン、ドクン…と心臓の音が大きく響く。
こんなに胸が高鳴ったのはいつぶりだろう。

二人のことが、もっと知りたい。

泉「ちょっと、いつまで黙って見てるつもり？あんたも一応『プロデューサー』でしょ？何のためにここに来たわけ？」

「あ、えと、すみません…でも私みたいな素人が口出して良いんですか……？」

レオ「どうせ聞きに来るやつのほとんどは素人だからな！お前の意見にも大きな価値がある！」

泉「それに、今日初めて俺たちの歌を聞いたあんたがどう思ったのかも気になるしねぇ」

「じゃ、じゃあ……セナさんは不器用だけど優しくて暖かくて、れおさんは無邪気さの中に見え隠れする儚さがあって、なんだかすごく、ドキドキしました！ごめんなさい、上手く言葉にできなくて…意見というより感想になってしまいました……」

粗削りといえばそうかもしれない。
二人ともそれぞれ描きたい世界をバラバラに描いている。
もしこの二人が全く同じ方向を向くことができたら……きっと誰も想像できない程美しい世界になる。

「気になるところがあるとすれば、セナさんは歌いきるのに必死になってしまっているのか、余裕がなさそうに聞こえます。れおさんはセナさんを置いて自由に駆け回っちゃうところがあるので、セナさんに寄り添えたらもっと素敵になると思います…ってごめんなさい、私なんかが偉そうに……」

レオ「お前、耳良いな！わははっ！気に入った、今度他のユニットメンバーも見てやってくれよ」

泉「一応、ユニットメンバーは他にもたくさんいるからさ～？興味があったら明日も来れば？次のライブの打ち合わせする予定だから」

「ぜ、ぜひ！」

他のユニットメンバー……セナさんたちみたいなアイドルに出会えるのかな。

泉「ま、あいつらレッスンとか興味ないし、会ってもしょうがないだろうけど」

そう小さく呟いたセナさんの表情には、怒りや憎しみが見えた気がした。