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episode_9 ページ9

泉「もう、やっと見つけたぁ!いつもいつもなんですぐにいなくなっちゃうのかなぁ?」

振り向くとそこには、以前にも会った銀髪の綺麗な先輩が、困ったような顔して立っていた。

泉「またこんなに散らかして……自分で片付けてよねぇ?……てかあんた誰?前にも会ったけど、アイドル科じゃないよねぇ?」

「あ、えっと……」

『セナ』さんはこちらに鋭い視線を向ける。
彼の冷たい視線のせいか、上手く言葉が出てこない。

泉「女子ってことは普通科?何でここにいるわけぇ?そう簡単に入ってこれないはずなんだけど」

「わ、私、プロデュース科で……」

泉「そういえばそんな話聞いたことあるかも……本当に女子だったんだ……まぁいいや。れおくん、さっさと片付けてレッスン行くよ〜?」

『セナ』さんは『れおくん』がそこら中にばら蒔いた紙を拾い集める。


「あの、レッスン見に行ってもいいですか…?」

プロデューサーとして、もっとちゃんと勉強したい。
この学院で出会った、数少ない本物のアイドル――目の前で無邪気に笑う彼の手伝いがしたい。

泉「どこの馬の骨かも分からない一般人に見せられるものじゃないんだけど」

レオ「こらセナ!意地悪言うな!お前……えっと、名前分かんないけど見てるとなんか霊感湧いてくるし、ついてきてもいいぞ!」

泉「はぁ?何勝手に決めちゃってるわけぇ?今日の部屋借りてるの俺なんだけど」

レオ「ガルルルル……!」

「わ、私も、一般人じゃないです……今はまだ、何もできないけど、絶対、お二人の力になれるような立派なプロデューサーになるので、勉強させてください!」

どうしてこんな言葉が出てきたのか、自分でもよく分からなかった。
きっと、昨日までの私には言えなかったこと。
この人たちが輝くためのお手伝いがしたい。
こんな風に何かを強く願ったのは初めてかもしれない。

泉「はぁ……勝手にすればぁ?ただし、邪魔だけはしないでよねぇ」

今まで夢ノ咲の現状に呆れるばかりだったのに、今日初めて、ここに来て良かったと心の底から思えた。

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作者名:はなえ | 作成日時:2022年4月23日 0時

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