肆話 守りたいひと ページ4
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数十秒たって私の口はようやく動いた。
「えっと.....貴女の..お洋服が....」
「洋服?」
「私を助けてくれた人のに似てたから.......」
必死で絞り出した少女(私)の設定
鬼に最愛の人をを殺され、自分もやられるすんでの所で鬼殺隊員に助けられる。
孤児となって過ごしていたが、隊服を身に付けたしのぶさんが目に留まり、
ずっと気掛かりだった鬼殺隊のことをなにか知れるかもと思いつけてきた。
我ながらいい感じだと思う。あとはこれを全力で演じるのみ
最愛の人というのは勿論しのぶさんのことである。今の私の状況とあながち間違ってはいない。
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しのぶさんは一寸驚いたような顔をしたけどすぐ笑顔に戻った。
「あぁ、成程。それで、私をつけてきたんですね。でももう遅い時間ですよ。
街の方から来たんですよね?街までゆっくり帰っていたら日が暮れてしまいます。
もう化け物には会いたくないでしょう。急いでお家にお帰りなさい。」
そう言ってしのぶさんは私の頭をそっと撫で街の方を指さした。
ふんわりと香る藤の花の匂いにどきっとする。
暖かい手....この人がほんとに死んでしまうんだ。少なくとも私がこのまま何もしなければ...。
そう思うと胸がぎゅうっと締まった。
「わ、私っ!貴方みたいになりたくてつけ来たんです。
自分がしてもらったように
私も鬼から人を守れるような、そんな人になりたくて!!どうやったらなれるんですか!?」
私は気付けば大声で叫んでいた。
風が強く、吹いていた。
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廣岡唯 - 面白い続きが観たい…推しはとういぞ (11月12日 11時) (レス) @page11 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ - 推しは尊い…っ。続き楽しみにしてます!! (2022年2月27日 22時) (レス) @page11 id: c876146d9f (このIDを非表示/違反報告)
天霧(プロフ) - 面白かったです。続きが気になります。頑張ってください (2021年9月26日 22時) (レス) @page11 id: 8490818b21 (このIDを非表示/違反報告)
0(プロフ) - 面白かったです!夢主ちゃんの容姿が気になります! (2021年1月25日 19時) (レス) id: bf61d874e4 (このIDを非表示/違反報告)
UTB_0527(プロフ) - 頑張ってください!!w (2020年12月25日 20時) (レス) id: 6403f51a3f (このIDを非表示/違反報告)
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