186. 家族になるんだ ページ8
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『食事会のときは、本当に失礼なことをしてしまって…』
「違うの、Aさん。今日は謝るためにここへ来たの」
学校から帰ると、応接間には利恵さんがいた。
謝るためって、どうして利恵さんが…
「あのとき、私はすごくあなたに怒っていたわ。けどね、天馬さんに言われたの」
「利恵さんが気に入らないのは、Aと僕のことじゃなくて、亡くなった母のことじゃないですか？…って」
天馬くんのお祖母様が決めた約束が継続するかぎり、美代子さんの存在は消えない。
天馬くんにとっての母親は、美代子さん。たったひとりだけだ。
だけど、美代子さんを失った一馬さんにとって、利恵さんは大切な存在で。
だから天馬くんも、家族として利恵さんを大切にすることに決めた。
「自分の中にある嫉妬をどうにか正当化したくて、全部あなたのせいにしてしまった」
「あなたを疑ったりして、ごめんなさいね…」
利恵さんは鞄からあの日送ってきた写真を出し、ライターで火をつけた。
私と賢人が映る写真がオレンジ色に包まれて、あっとういうまに燃えていく。
「私たち、家族になるのよね」
燃えて散り散りになった写真を見つめ、利恵さんは微笑んだ。
…そうだ、私たちは家族になるんだ。
『紺野さん、ごめんなさい。急なお願いで』
“ 別にいいよ〜 ”
『でも、愛莉が迷惑かけないか心配で…』
“ A〜？ 聞こえてますけどっ ”
『愛莉、くれぐれも紺野さんに失礼のないようにね？』
“ はぁ〜？ 愛莉、生まれてから一度も失礼なことなんてしたことないですけど ”
『いや、半分ぐらいは失礼じゃない？』
「はぁ〜？」
「まぁまぁ、美少女はうちにまかせて。行っておいでよ、爽やカレシのところっ」
『すみません…。できるだけ早く合流するので』
放課後。タコパに誘ってくれた愛莉を紺野さんに預けて、私は天馬くんへの差し入れを作っていた。
電話の向こうから聞こえる愛莉の声は、あきらかに不機嫌でちょっと心配…。
“ てかさ、爽やカレシって武道の達人なんだねっ。剣道、弓道、柔道の３競技で全国チャンピオンなんでしょ？ ”
『なんか強いとは聞いてたんですけど、そんなすごい選手だとは知らなくて…』
“ そんな話はいいから、早く愛莉とタコパしに来なさいよね ”
『はいはい、じゃあまたあとでね』
私は差し入れを持って、桃乃園へと向かった。
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A(プロフ) - おもしろかったです！続き楽しみにしてます (2022年4月14日 22時) (
レス) @page38 id: c5820b78bf (このIDを非表示/違反報告)
ゆりか(プロフ) - すごく続きが気になります！！完結までみたいです！！更新待ってます♪ (2020年4月3日 3時) (レス) id: 1647bd3009 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - はじめまして！読ませていただきました。とても面白くて、続きがすごく気になります！ぜひ、完結させて下さい！オリジナルの最後を見てみたいです^_^お忙しいとは思いますが、更新頑張ってください！楽しみに待ってます！！ (2019年4月3日 21時) (レス) id: 36a4111e18 (このIDを非表示/違反報告)
kmgapsy03(プロフ) - 続き早く読みたいです！楽しみにしてます！ (2018年11月13日 17時) (レス) id: 52aa0c32e7 (このIDを非表示/違反報告)
いぎ(プロフ) - 続き楽しみにしています！！！！ (2018年11月6日 10時) (レス) id: 71787ff6cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：I
| 作成日時：2018年6月20日 3時
