183. ファーストチッス ページ5
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「ねえねえ、賢人くんっ」
『なんだ？』
「これ、もらってもいい？」
『え？』
「…彼女になった記念に」
部屋に遊びにきためぐみが、ワシン豚を手にとり持ちあげる。
俺は思わずボルダリングの壁から飛び降り、慌てて奪い返した。
『だ、だめだっ』
「えっ、晴くんのケチ…」
『そんなに欲しいなら自分で買え！』
これは俺のお守りだから、絶対あげねえんだよ。
犯人も無事に捕まえたし、英徳の評価も上がってきたし、ワシン豚のおかげで最近ぜんぶ上手くいってっからな。
「彼女になった証がほしいの。まだ(仮)が外れた実感湧かないから…」
『じゃあ…、どうやったら湧くんだよ』
そう言うと、目の前の顔は真剣に考えはじめて、それからとんでもないことを言いやがった。
「深刻に考えすぎじゃないか？」
『めぐみのヤツ、デートプランは賢人くんにおまかせするねっ。とか言いやがって』
「いるよね〜。そういうデートプラン考えてもらうのあたりまえって考えてる女って」
『ぜんっぜん上手くいく気がしねえ…』
昨日の夜。考えても考えても答えがでなかった俺は、学校に来てからもずっと頭を悩ませていた。
雑誌見てもいいの見つかんねえし…
『一茶、なんかアドバイスねえのか？』
「そんなの簡単だよ。人生で一番の思い出を、プレゼントするんだよ」
『一番の思い出？』
「たとえば……ファーストキス？」
『チ、チッス…！？』
一瞬でAとのキスがよみがえって顔が熱くなる。
な、なに思い出してんだ俺！
「その件なら、賢人は経験済みだよな？」
『海斗っ！』
「え、ちょっと待って。賢人、誰とキスしたのよっ。てか、いつ！？」
「それは…」
『ば、ばかやろう！ 絶対言うなっ』
「ヘタレなのにキスはもう経験済みって、まじか…」
海斗のからかうような視線に、愛莉と一茶が食いついた。
ガキの頃のは事故だったからカウントしないにしても。
海斗にも小林にも言ってない遊園地のときに無理やりしたのは、たしかに……俺のファーストキスだ。
……あいつはどうか知んねえけど。
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A(プロフ) - おもしろかったです！続き楽しみにしてます (2022年4月14日 22時) (
レス) @page38 id: c5820b78bf (このIDを非表示/違反報告)
ゆりか(プロフ) - すごく続きが気になります！！完結までみたいです！！更新待ってます♪ (2020年4月3日 3時) (レス) id: 1647bd3009 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - はじめまして！読ませていただきました。とても面白くて、続きがすごく気になります！ぜひ、完結させて下さい！オリジナルの最後を見てみたいです^_^お忙しいとは思いますが、更新頑張ってください！楽しみに待ってます！！ (2019年4月3日 21時) (レス) id: 36a4111e18 (このIDを非表示/違反報告)
kmgapsy03(プロフ) - 続き早く読みたいです！楽しみにしてます！ (2018年11月13日 17時) (レス) id: 52aa0c32e7 (このIDを非表示/違反報告)
いぎ(プロフ) - 続き楽しみにしています！！！！ (2018年11月6日 10時) (レス) id: 71787ff6cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：I
| 作成日時：2018年6月20日 3時
