205. やると決めたらやる ページ28
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「お前なにしてんだよ、こんな時間に。ひとりで危ねえだろ」
『ちょっと考え事してただけ。もう帰るから』
どれぐらい走ってたんだろう。近づいてきた賢人の首筋には、たくさんの汗が伝っている。
「考え事？ またなんかあったのか？」
『別に…、大したことないよ。じゃあね』
「おい、ちょっと待てって。話くらい、いつでも聞くって言ったろ」
帰ろうした私の腕を、体温の高い手がつかむ。
…ダメ。また、昨日のあの瞬間がよみがえってくる。
『賢人、離して』
「じゃあ、俺の前で泣きそうな顔すんな」
『え…？』
「俺が笑わせてやりたいって思っちまうから、泣きそうな顔すんな」
何かを我慢するような、そんな目で見つめてくるから、いたたまれなくなる。
『……もう行くね』
つかまれていた手を無理やりほどいて、逃げるように賢人から離れた。
天馬くんが大好きだったあの頃に戻るって決めたのに、そばにいるだけで簡単に胸が苦しくなる。
やっぱり、これ以上近くにいちゃいけない…。
―― 翌日
「柔道も弓道も剣道も、賢人はぜんぶ絶望的だって…」
『え？』
「弓道に関しては、矢をまともに飛ばすことすら出来なかった」
不安そうな愛莉にＣ５サロンに呼ばれたから何かと思えば、なぜだか賢人の近況を聞かされている。
「Aちゃんから頼んでくれないかな？ 馳 天馬にこの試合をやめるように」
「この件がサイトに載って以来、英徳の世間的評判は急落してい…」
「英徳のことはどうでもいい！ 賢人がヒドい目に遭うのだけは絶対イヤなの…」
だからお願い。って…、みんなこそヒドいよ。
『……なんでそうなっちゃうかな、』
「A？」
『Ｃ５が、賢人の仲間が一番応援しなくて、元気づけなくてどうするの？』
「花沢、わかってるはずだ。馳 天馬と賢人の力の差を」
『だからなんで最初っから決めつけてるの？ 賢人が負けるって』
みんなが信じなくて、誰が信じてあげるのよ…。
『あいつは負けず嫌いで、やるって決めたことは必ずやり遂げる』
『あいつの近くにいてそんなことも分からないなんて……ほんっとしょうもない！』
なぜだか悔しくて、ムカついて、思わず走りだした。
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A(プロフ) - おもしろかったです！続き楽しみにしてます (2022年4月14日 22時) (
レス) @page38 id: c5820b78bf (このIDを非表示/違反報告)
ゆりか(プロフ) - すごく続きが気になります！！完結までみたいです！！更新待ってます♪ (2020年4月3日 3時) (レス) id: 1647bd3009 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - はじめまして！読ませていただきました。とても面白くて、続きがすごく気になります！ぜひ、完結させて下さい！オリジナルの最後を見てみたいです^_^お忙しいとは思いますが、更新頑張ってください！楽しみに待ってます！！ (2019年4月3日 21時) (レス) id: 36a4111e18 (このIDを非表示/違反報告)
kmgapsy03(プロフ) - 続き早く読みたいです！楽しみにしてます！ (2018年11月13日 17時) (レス) id: 52aa0c32e7 (このIDを非表示/違反報告)
いぎ(プロフ) - 続き楽しみにしています！！！！ (2018年11月6日 10時) (レス) id: 71787ff6cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：I
| 作成日時：2018年6月20日 3時
