194. 舞いもどった幸せ ページ16
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今は誰にも会いたくない。
二人が帰ったあとも私はモニュメントに座って、今日のことを思い出していた。
“ 何かの見間違いじゃないのかな…？ ”
信じてほしいひとに、信じてもらえない。
そんな悔しさがぶり返して、また泣いていると、どこかから声が聞こえてきた。
「お前、ハンカチも持ってねえのかよ」
え、この声…。
辺りを見渡していると、賢人がモニュメントの隙間から現れた。
『なんで…、帰ったんじゃなかったの？』
「泣いてるお前を、ひとりになんかできるかよ」
私にハンカチを渡した賢人が隣に座りこむ。
辛いときに助けにきてくれるのはいつも天馬くんだったのに、今は賢人がそばにいる。
ここにいると、素直になれるのはどうしてだろう。
「…最初っから
『え？』
「あいつ、いろいろこじらせてそうだし。馳のことすげえ好きだろ」
私が見たことすべてを話すと、賢人はどこか納得したように近衛くんのことを語り始めた。
「だから、馳のためになるならどんな汚ねえことも間違ったことも、なんでもやっちまうだろうなって」
「その気持ちは、わからなくもねえ……俺も、こじらせてるから」
こじらせてる、か…。
たしかに、賢人も少し前まで司くんに憧れすぎて、方向性間違ってたよね。
「よしっ、こうなったら近衛が関わってる決定的瞬間を見つけて、馳に土下座させるしかねえな」
『別に土下座はいいけど……、なんでこうなっちゃうかな…』
謝ってほしいわけじゃない。ただ、私の話を一度でいいから信じてほしい。
なのに…
「やっぱりお前にはワシン豚が必要だな」
『ワシントン…？』
「こいつだよ、ほら」
そう言ってブラックジャケットのポケットから出してきたのは、あの金の豚。
「悪運を吸いとる豚、ワシン “豚” だ」
『え…、ダジャレ？ ふふっ、ほんっとしょうもない』
「な、名付け親は小林だからなっ。とりあえず、これはお前が持っとけ」
『ふふ。じゃあ、借りとく』
あの日のように、小さな幸せがまた、私のもとへと戻ってきた。
ありがとね、賢人。
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A(プロフ) - おもしろかったです！続き楽しみにしてます (2022年4月14日 22時) (
レス) @page38 id: c5820b78bf (このIDを非表示/違反報告)
ゆりか(プロフ) - すごく続きが気になります！！完結までみたいです！！更新待ってます♪ (2020年4月3日 3時) (レス) id: 1647bd3009 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - はじめまして！読ませていただきました。とても面白くて、続きがすごく気になります！ぜひ、完結させて下さい！オリジナルの最後を見てみたいです^_^お忙しいとは思いますが、更新頑張ってください！楽しみに待ってます！！ (2019年4月3日 21時) (レス) id: 36a4111e18 (このIDを非表示/違反報告)
kmgapsy03(プロフ) - 続き早く読みたいです！楽しみにしてます！ (2018年11月13日 17時) (レス) id: 52aa0c32e7 (このIDを非表示/違反報告)
いぎ(プロフ) - 続き楽しみにしています！！！！ (2018年11月6日 10時) (レス) id: 71787ff6cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：I
| 作成日時：2018年6月20日 3時
