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143. 言い聞かせた想い ページ8

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「Aさん、遠慮せずにどんどん食べてね」


『はい…』


「今日は桃乃園への転入祝いと、今までのお詫びを兼ねてるんだから」




先週決まった、天馬くんと利恵さんとの食事会。


利恵さんと会うのは久しぶりで、レストランに着いてからずっと、相変わらず綺麗な微笑みが私を緊張させている。




『お詫びだなんて…』


「それでいつ、桃乃園へ転入するの?」


『具体的にはまだ…』


「近いうちに一度、学校に見学へ来てもらおうと思っています」


「そうね、そのほうがAさんも安心するわね」


「ぁ、学校のパンフレットがあるんだ。ちょっと持ってくるね」




天馬くんが席を立つ。お水を飲もうとグラスをつかんだ瞬間、利恵さんが私の手に触れた。




「Aさん。改めて、ごめんなさいね。二人のことが心配で、私つい余計なことを…」




神楽木との写真や、遺言のことが頭に浮かぶ。




『いえ、そんな…。ご心配かけてしまい、ごめんなさい。それに、』


「…何?」


『利恵さんは、私の本当の出生を……知っていらっしゃいますよね?』




薄々、感じてはいた。NYへ行った私に、時々くれる電話の声はとても冷たくて。


今はさらに、私を軽蔑しているような目を向けている。




「…ええ。Aさんには申し訳ないけど、調べさせてもらったわ。遺言のことも」


『でしたら、どうして…』


「いずれ、天馬さんがAさんに飽きると思ったの。私は天馬さんとAさんの婚約には反対だったしね」




唇に微笑みを浮かべながら、淡々と私の胸を突き刺していく。


やっぱり…、この人は全てを知っていた。


それでも…




「やだ〜、そんな顔しないで? 今は二人がここまで想い合ってるって分かって、私は心から応援したいと思っているわ」




天馬くんと一緒にいるためには、この人に認めてもらわなきゃいけない。




『私…、ずっとずっと、天馬くんのそばにいたいです』


「……その言葉が聞けて安心したわ」




もう一度ゆっくりと孤を描く唇に、胸を撫でおろしていると、天馬くんが席へと戻ってきた。




「A、パンフレットこれなんだけど」


『ふふ、この天馬くんカッコいいよね』


「そうかな?」




天馬くんと一緒にいたい。


天馬くんといれば、もう何もツラい思いをしなくて済む。




…これで、いいんだ。




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I(プロフ) - ねここさん» ねここさーん!またお話できて嬉しいですっっ。毎日来てくださりありがとうございます☆ …私と好みの相性がバッチリですね(笑)これからも、ねここさんが楽しんでもらえるよう書いていきます!またお話しましょう♪ (2018年6月17日 2時) (レス) id: 020c5bbf85 (このIDを非表示/違反報告)
ねここ - 神楽木と花沢類がだいっすきなので最高です><ほんとこの小説大好きです!(*^^*) (2018年6月16日 22時) (レス) id: a4296a5a43 (このIDを非表示/違反報告)
ねここ - やばーい!はやく続きが読みたいです\(^o^)/前にはじめまして!でコメントさせていただいたものです!(笑)毎日みにきてます!(笑) (2018年6月16日 22時) (レス) id: a4296a5a43 (このIDを非表示/違反報告)
I(プロフ) - おもちさん» おもちさん、読んでくださりありがとうございます!!毎日楽しみに待ってくださるだけでも嬉しいのに、こうしてお話できるなんてとっても幸せです(*^o^*) 読みやすいように構成には一番気を遣っているので褒めてもらえて、すごくパワーもらえました!頑張ります! (2018年6月13日 23時) (レス) id: 020c5bbf85 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - お話の構成が上手で読んでいてとても面白いです。毎日密かに更新を楽しみにしています(笑) (2018年6月13日 20時) (レス) id: 20265c6f3f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:I | 作成日時:2018年6月8日 22時

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