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140. 庶民狩り、再び ページ5

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「Aちゃん、どうしよう…」


『大丈夫…。大丈夫だよ、』




教室に着いても、音の不安な顔は曇ったままで。私は、その手を握ることしかできずにいる。


そんなとき。男子生徒に案内をされ、神楽木がクラスへとやって来た。




「2年D組、江戸川 音。あいつです!」


『神楽木…、』


「こいつの家、会社が倒産してコンビニでバイトしてるんです!」




一茶くんに退学届を手渡された神楽木が、音へと近づいてくる。


やめて…。こんなこと、やめて…。




「24時間以内に学園を去れ」


「待ってくださいっ…」


「庶民狩りに、例外はない」


「……っ、」


『待って、音っ!』




退学届を渡された音が教室から走り去っていく。


神楽木のほうへ振り返ると、あの頃のように冷たい視線とぶつかった。




「賢人、次に行くぞ」


「あぁ…」




平くんに声をかけられると視線が外れ、生徒たちの報告によって神楽木は次の庶民狩りへと向かった。


愛莉のいないC5が教室を去って行く。




私の、せい…?


…神楽木があんなふうになったのって。


だとしたら、やっぱり話さなきゃ。話してこんなことやめさせなきゃ。




教室を出て走って追いかけると、移動階段には一茶くんと栄美くんが待っていた。




『わっ…』


「ね? 追いかけてくるって言ったでしょ」


『……え?』


「ちょっとオレたちと付き合って?」




何がなんだかわからない私の腕をつかんだ一茶くんに連れられ、休憩フロアの席に着いた。


一茶くんが淹れてくれた紅茶の香りが、少しだけ心を落ち着かせてくれる。




『私、神楽木に話があって…』


「安心しろ、花沢のせいではない」


『え…?』


「賢人がまた庶民狩りを始めたこと、自分のせいだとか思ってるんでしょ?」




栄美くんの言葉に驚いていると、一茶くんが私の思っていたことを見抜いた。




「C5が庶民狩り始めたきっかけって、知ってる?」


『ううん…』


「俺たちが高等部に進学した頃の話だ」




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I(プロフ) - ねここさん» ねここさーん!またお話できて嬉しいですっっ。毎日来てくださりありがとうございます☆ …私と好みの相性がバッチリですね(笑)これからも、ねここさんが楽しんでもらえるよう書いていきます!またお話しましょう♪ (2018年6月17日 2時) (レス) id: 020c5bbf85 (このIDを非表示/違反報告)
ねここ - 神楽木と花沢類がだいっすきなので最高です><ほんとこの小説大好きです!(*^^*) (2018年6月16日 22時) (レス) id: a4296a5a43 (このIDを非表示/違反報告)
ねここ - やばーい!はやく続きが読みたいです\(^o^)/前にはじめまして!でコメントさせていただいたものです!(笑)毎日みにきてます!(笑) (2018年6月16日 22時) (レス) id: a4296a5a43 (このIDを非表示/違反報告)
I(プロフ) - おもちさん» おもちさん、読んでくださりありがとうございます!!毎日楽しみに待ってくださるだけでも嬉しいのに、こうしてお話できるなんてとっても幸せです(*^o^*) 読みやすいように構成には一番気を遣っているので褒めてもらえて、すごくパワーもらえました!頑張ります! (2018年6月13日 23時) (レス) id: 020c5bbf85 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - お話の構成が上手で読んでいてとても面白いです。毎日密かに更新を楽しみにしています(笑) (2018年6月13日 20時) (レス) id: 20265c6f3f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:I | 作成日時:2018年6月8日 22時

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