172. もう友達 ページ38
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明日はついに、メグリンの誕生日。
それに向けて生徒サロンでは、神楽木が業者の方たちに忙しく指示を出している。
頑張ってるその姿に一言だけ声をかけたくて、少し離れたここから神楽木を呼んだ。
『明日参加できなくてごめん。がんばって!』
「…ちょっと待て、Aっ」
準備の邪魔をしたくなかったのに、神楽木はわざわざここまで来てくれた。
でも、なんかすごくじーっと見てくる。
『な、なに…』
「やっぱりお前…、今日、顔変だ」
『そう?』
「なんかあったんだろ? ぜんぶ話せよ」
『……、』
「友達なんだろ? 俺たち」
音にも気づかれなかったのに、なんで神楽木にはわかったんだろ。
けど、あの日からずっと誰かにこの気持ちを聞いてほしかった。
「つまり、お前は明日の食事会で馳の親父にジャッジされる……だから、冴えない顔してんのか?」
『うん……まぁ、』
外のベンチに座りながらあのことを話すと、神楽木は腕を組みながら真剣に聞いてくれた。
「なんだよ、自信ねえのか?」
『私らしく生きようと思ったら、たくさんの人を傷つけちゃった。私がそんなワガママ言わなきゃ…』
「A、お前……ほんっとしょうもねえな」
『え?』
「お前が言ったんじゃねえのかよ。俺は俺らしく生きろって」
「人に偉そうに言っといて何がワガママだよ。ごちゃごちゃ言ってねえで、逃げずにてめえを貫けよ」
まさか、神楽木にこんなこと言われるなんて…。
びっくりしたけど、今の私にはすごく心強い言葉だった。
「俺もAに話したいことがある」
『なに?』
「明日、西留がバースデーケーキのロウソクを吹き消したら……ちゃんと付き合おうって伝えるつもりだ」
少しだけ、また胸がチクンとする。でも…
「もう、西留に中途半端なことはしねえって決めたんだ。だからお前も、ダセえことすんな」
『…うん』
でも、私たちはもう友達。
こんなふうに、壁にぶつかったときはお互いを勇気づけて、力をもらい合う。
そう、もう友達なんだ。
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I(プロフ) - ねここさん» ねここさーん!またお話できて嬉しいですっっ。毎日来てくださりありがとうございます☆ …私と好みの相性がバッチリですね(笑)これからも、ねここさんが楽しんでもらえるよう書いていきます!またお話しましょう♪ (2018年6月17日 2時) (レス) id: 020c5bbf85 (このIDを非表示/違反報告)
ねここ - 神楽木と花沢類がだいっすきなので最高です><ほんとこの小説大好きです!(*^^*) (2018年6月16日 22時) (レス) id: a4296a5a43 (このIDを非表示/違反報告)
ねここ - やばーい!はやく続きが読みたいです\(^o^)/前にはじめまして!でコメントさせていただいたものです!(笑)毎日みにきてます!(笑) (2018年6月16日 22時) (レス) id: a4296a5a43 (このIDを非表示/違反報告)
I(プロフ) - おもちさん» おもちさん、読んでくださりありがとうございます!!毎日楽しみに待ってくださるだけでも嬉しいのに、こうしてお話できるなんてとっても幸せです(*^o^*) 読みやすいように構成には一番気を遣っているので褒めてもらえて、すごくパワーもらえました!頑張ります! (2018年6月13日 23時) (レス) id: 020c5bbf85 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - お話の構成が上手で読んでいてとても面白いです。毎日密かに更新を楽しみにしています(笑) (2018年6月13日 20時) (レス) id: 20265c6f3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:I | 作成日時:2018年6月8日 22時