171. みんな笑顔にしてやる ページ37
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『西留、お前何が欲しい?』
「え?」
『誕生日プレゼントだよ。女が喜ぶもんとかよくわかんないけど……あれか、南の島とかか?』
俺の部屋で誕生日パーティーに使うケーキを選んでいる横顔に話しかけると、西留は満面の笑みで答えた。
「名前っ」
『名前…?』
「めぐみって呼んでほしい」
『え?』
「ということで……せーのっ、はい!」
な、名前って…。それは(仮)が取れたらじゃねえのかよ。
俺はまだ完全には…
「ぁ、誕生日まだだったね。フライングしちゃった」
そんな俺に気づいたのか、再び西留はケーキ選びに戻っていく。
すると、西留に電話がかかってきた。
「そっか…。うん、残念だけど…また明日!」
『なんかあったのか?』
「A、誕生日パーティー来れなくなったんだって…」
『え?』
「天馬くんの家族と食事することになったんだけど、その日しか都合がつかないらしくて」
『あいつが先約断るなんて、らしくねえな…』
「まぁ、仕方ないって。ほら、賢人くんも味見してみて? はい、あーーん」
何があったかなんてわかんねえけど、お前はらしく生きるんじゃなかったのかよ…。
「今、誰のこと考えてる…?」
『…え?』
「食べたくないならいいです〜。小林さんにでも味見してもらおうっと!」
『ぁ、おいっ』
ケーキを俺の口に運ぼうとしていた西留に気づかなかった。
いつものように笑って西留が部屋を出て行ったあと、俺はあいつが書いたアイデアノートを見つけた。
“ C5みんなに私が出来ること ”
“ みんなが笑顔になれる会にする ”
あいつ、こんなに英徳のために…?
『なに、中途半端なことしてんだ俺は…』
西留とちゃんと向き合うって決めたじゃねえか。
勢いよく部屋を出ると、そこにはまだケーキの皿を持った西留がいた。
「なにっ? やっぱ食べたくなった?」
『…西留、仕切らせてくれ』
「え?」
『お前の誕生日。俺に仕切らせてくれねえか?』
「賢人くん…?」
『俺が最っ高の誕生日にしてみせる』
英徳の全員を、俺が笑顔にしてやるよ。
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I(プロフ) - ねここさん» ねここさーん!またお話できて嬉しいですっっ。毎日来てくださりありがとうございます☆ …私と好みの相性がバッチリですね(笑)これからも、ねここさんが楽しんでもらえるよう書いていきます!またお話しましょう♪ (2018年6月17日 2時) (レス) id: 020c5bbf85 (このIDを非表示/違反報告)
ねここ - 神楽木と花沢類がだいっすきなので最高です><ほんとこの小説大好きです!(*^^*) (2018年6月16日 22時) (レス) id: a4296a5a43 (このIDを非表示/違反報告)
ねここ - やばーい!はやく続きが読みたいです\(^o^)/前にはじめまして!でコメントさせていただいたものです!(笑)毎日みにきてます!(笑) (2018年6月16日 22時) (レス) id: a4296a5a43 (このIDを非表示/違反報告)
I(プロフ) - おもちさん» おもちさん、読んでくださりありがとうございます!!毎日楽しみに待ってくださるだけでも嬉しいのに、こうしてお話できるなんてとっても幸せです(*^o^*) 読みやすいように構成には一番気を遣っているので褒めてもらえて、すごくパワーもらえました!頑張ります! (2018年6月13日 23時) (レス) id: 020c5bbf85 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - お話の構成が上手で読んでいてとても面白いです。毎日密かに更新を楽しみにしています(笑) (2018年6月13日 20時) (レス) id: 20265c6f3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:I | 作成日時:2018年6月8日 22時