169. 君といたいだけなのに ページ35
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「言ったのに…」
『…え?』
「ちゃんと捕まえといて、って」
悲しそうに眉を下げる西留さんの顔に、遊園地デートのときや、さっきの映画館でのことがよみがえる。
Aと神楽木は、笑うところも驚くところも、感動して泣くところも同じタイミングだった。
上映中はそんな二人が気になって、内容なんて頭に入ってこなくて…。
今だって、神楽木と言い合うAは、僕の前では見せない顔をしている。
それに、神楽木のことを名前で呼んだって聞いたとき、僕はまた…
また、嫉妬で心がいっぱいになってしまった。
情けない気持ちを引きずりながら帰宅すると、今日は久しぶりに父さんが食事の時間にいた。
「聞いたぞ、Aちゃんのこと。利恵の言うとおり、お前は振り回されていると俺も思う」
どこまで父さんが知っているのか、今はそんなことはどうでもよかった。
父さんに認めてもらわなければ、僕とAは…
本当に、離れ離れになってしまう。
「一度、Aちゃんの話を聞こう。家族同士、食事でもしようじゃないか」
『父さん…』
「そこですべてを判断させてもらう。お前の婚約者としてふさわしいかどうか」
『……構いません。僕はAを信じています』
「6月2日の12時からでどうだ?」
『その日は…、Aの友人との先約が、』
「だとすると…、次は2ヶ月先になるな」
「天馬さん。こうやって話をうやむやにしてるんじゃないんでしょうね?」
利恵さんの鋭い視線が、不安で揺らぐこの心をさらに揺らしていく。
居ても立っても居られず、僕はAの家へと向かった。
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I(プロフ) - ねここさん» ねここさーん!またお話できて嬉しいですっっ。毎日来てくださりありがとうございます☆ …私と好みの相性がバッチリですね(笑)これからも、ねここさんが楽しんでもらえるよう書いていきます!またお話しましょう♪ (2018年6月17日 2時) (レス) id: 020c5bbf85 (このIDを非表示/違反報告)
ねここ - 神楽木と花沢類がだいっすきなので最高です><ほんとこの小説大好きです!(*^^*) (2018年6月16日 22時) (レス) id: a4296a5a43 (このIDを非表示/違反報告)
ねここ - やばーい!はやく続きが読みたいです\(^o^)/前にはじめまして!でコメントさせていただいたものです!(笑)毎日みにきてます!(笑) (2018年6月16日 22時) (レス) id: a4296a5a43 (このIDを非表示/違反報告)
I(プロフ) - おもちさん» おもちさん、読んでくださりありがとうございます!!毎日楽しみに待ってくださるだけでも嬉しいのに、こうしてお話できるなんてとっても幸せです(*^o^*) 読みやすいように構成には一番気を遣っているので褒めてもらえて、すごくパワーもらえました!頑張ります! (2018年6月13日 23時) (レス) id: 020c5bbf85 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - お話の構成が上手で読んでいてとても面白いです。毎日密かに更新を楽しみにしています(笑) (2018年6月13日 20時) (レス) id: 20265c6f3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:I | 作成日時:2018年6月8日 22時