139. ふりだしに戻るだけ ページ4
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「これ、ぜんぶ転入希望者っ!?」
「すごいな、メグリン効果」
登校すると、朝から転入希望者が学園内を賑わせていた。
「Aちゃん、おはよ」
『おはよう、音』
「…みんな聞いてくれ!」
音と生徒サロンを歩いていると、C5サロンから大きな声が聞こえてきた。
平くんを中心に集結しているC5の元に、生徒たちが一斉に集まっていく。
「学園の品格を守るために、我々C5は……庶民狩りを再開する!」
平くんのその発表に、C5コールが沸き立ち、神楽木が前へと出てきた。
「この学園に、庶民はいらない」
神楽木、なんで…。
そのとき愛莉が私に手を振り、神楽木と目が合った。
今すぐ辞めさせないと…、そう思うのに。ここから足が、動かない。
「なにっさっきの賢人の態度! ヒドくないっ?」
『庶民狩り、また始めるの?』
「なんか海斗が急に言いだして、わけわかんないんだよね」
イラつく愛莉と二人で校舎の外へと出てきた。
柱にもたれかかる横顔は、何も知らない。ちゃんと話さなきゃ…。
「賢人もなんだか様子がおかしいし」
『ぜんぶ線を引いたのは私だから…』
「それ、どういうこと?」
『私…、神楽木の告白断った』
「え?」
『だからこれでいいの。私と神楽木は、お互いを嫌い合ってたあの頃の関係に戻るだけ』
「でも婚約は…?」
『……それも、元からなかったの』
だから、あいつとはもう…一切関係ない。
「賢人!」
『何だよ…』
「Aからぜんぶ聞いた…。いいの!? このままAを諦めてっ」
C5サロンに戻ってきた愛莉が、興奮気味に俺からタブレットを取りあげる。
『諦めるも何も、全部終わったんだよ』
「…玉砕したか」
『あぁ、きっぱりフラれた』
「ねえ、庶民狩りやって気を紛らわそうとしてるとかじゃないよね?」
…図星だった。
けど。何かしてねえとあいつの顔がチラついて、頭にこびりついて離れねえんだよ…。
だから、
『俺はこの学園を守りたい、それだけだ』
「本当に、それだけ?」
『あぁ、』
「賢人が決めたならもう何も言わない。けど愛莉は手伝わないよ?」
『…好きにしろ』
「今、生徒たちを改めて調査し直している。隠れ庶民を徹底的に炙りだすぞ」
だから、誰が何と言おうと、何をしようと、もう全部どうでもいい。
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I(プロフ) - ねここさん» ねここさーん!またお話できて嬉しいですっっ。毎日来てくださりありがとうございます☆ …私と好みの相性がバッチリですね(笑)これからも、ねここさんが楽しんでもらえるよう書いていきます!またお話しましょう♪ (2018年6月17日 2時) (レス) id: 020c5bbf85 (このIDを非表示/違反報告)
ねここ - 神楽木と花沢類がだいっすきなので最高です><ほんとこの小説大好きです!(*^^*) (2018年6月16日 22時) (レス) id: a4296a5a43 (このIDを非表示/違反報告)
ねここ - やばーい!はやく続きが読みたいです\(^o^)/前にはじめまして!でコメントさせていただいたものです!(笑)毎日みにきてます!(笑) (2018年6月16日 22時) (レス) id: a4296a5a43 (このIDを非表示/違反報告)
I(プロフ) - おもちさん» おもちさん、読んでくださりありがとうございます!!毎日楽しみに待ってくださるだけでも嬉しいのに、こうしてお話できるなんてとっても幸せです(*^o^*) 読みやすいように構成には一番気を遣っているので褒めてもらえて、すごくパワーもらえました!頑張ります! (2018年6月13日 23時) (レス) id: 020c5bbf85 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - お話の構成が上手で読んでいてとても面白いです。毎日密かに更新を楽しみにしています(笑) (2018年6月13日 20時) (レス) id: 20265c6f3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:I | 作成日時:2018年6月8日 22時