164. 恋は理屈じゃない ページ30
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「このブレスレットを付けています。見つけた人はC5に連絡を。だって〜」
英徳の全体LINEに届いた1件の通知。
そこには、青と赤の個性的なブレスレットを付けた犯人の手元の写真が映っていた。
みんなに呼びかけて情報を集めるC5に、クラス中が朝のように悪口を言っている。
そんな険悪な空気に、窓際の席に座っているメグリンは元気がなさそうで…。
私は席に近づき声をかけた。
『賢人から聞いたよ。おめでと』
「えっ? 賢人くん、なんて?」
『ふふ、私と天馬くんに負けないカップルになるって』
「えぇっ! うそうそうそっ…ほんと?」
大きな声をだして驚いた自分の顔を両手で覆いながら、喜ぶその姿に私まで笑顔になる。
…よかった、いつものメグリンだ。
「ぁ、ていうかA。さり気なく今、賢人って呼んだでしょ?」
『え? い、いや……聞き間違いじゃない?』
「いや、賢人って言った!」
『言ってない言ってないっ』
「言ったってば〜!」
はぁ……朝から何十回もあいつに「賢人って呼べ!」って言われたせいだ。
彼女であるメグリンの前で、あいつのこと名前で呼んじゃうなんて…。大失敗。
「ねえ、A。英徳やめようとしてたってどういうことっ!」
『え、愛莉。それどこで聞いたの?』
恒例の愛莉とのランチタイム。
不機嫌オーラ満載だったから嫌な予感はしてたけど…、まさかバレてたとは。
「…って怒ろうと思ったけど、やめた」
『え?』
「だって賢人でしょ?」
『ん?』
「だーかーらっ。やっぱり賢人が好きだから英徳やめなかったんでしょ?」
途端にキラキラオーラ満載になった愛莉のこの顔は…、なにか企んでる。
『確かに、あいつのおかげで私も変わろうって思った。でも好きとかじゃないから』
「じゃあ、付き合うって聞いたときのAの心境は?」
『それは……ちょっとだけ、胸がチクンとした』
「え、今日は素直」
『けど、それだけ。何回考えても、私が好きで、大事にしたいのは天馬くんだもん』
「何回も考えた? 本気で?」
『…うん』
「でも恋は理屈じゃないじゃん。ここじゃなくて、ここでするもんでしょ?」
頭じゃなく、心で…。
でも、神楽木とはもう友達で、モヤモヤしたりする必要なんてない。
だって私には、天馬くんがいる。
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I(プロフ) - ねここさん» ねここさーん!またお話できて嬉しいですっっ。毎日来てくださりありがとうございます☆ …私と好みの相性がバッチリですね(笑)これからも、ねここさんが楽しんでもらえるよう書いていきます!またお話しましょう♪ (2018年6月17日 2時) (レス) id: 020c5bbf85 (このIDを非表示/違反報告)
ねここ - 神楽木と花沢類がだいっすきなので最高です><ほんとこの小説大好きです!(*^^*) (2018年6月16日 22時) (レス) id: a4296a5a43 (このIDを非表示/違反報告)
ねここ - やばーい!はやく続きが読みたいです\(^o^)/前にはじめまして!でコメントさせていただいたものです!(笑)毎日みにきてます!(笑) (2018年6月16日 22時) (レス) id: a4296a5a43 (このIDを非表示/違反報告)
I(プロフ) - おもちさん» おもちさん、読んでくださりありがとうございます!!毎日楽しみに待ってくださるだけでも嬉しいのに、こうしてお話できるなんてとっても幸せです(*^o^*) 読みやすいように構成には一番気を遣っているので褒めてもらえて、すごくパワーもらえました!頑張ります! (2018年6月13日 23時) (レス) id: 020c5bbf85 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - お話の構成が上手で読んでいてとても面白いです。毎日密かに更新を楽しみにしています(笑) (2018年6月13日 20時) (レス) id: 20265c6f3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:I | 作成日時:2018年6月8日 22時