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154. 何もできない ページ19

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「おかえりなさいませ、お嬢様」


『ただいま。藤岡、さっきはごめんね…』


「いえ、お嬢様のあのような行動にはもう慣れていますので」




取って付けたような嫌味をこめた笑顔に、また罪悪感がぶり返す。


藤岡はあの日以来、いろんな感情を顔に出すことが増えてきたけど、私が家を出ようとしたことを未だに根に持っている。




「それはそうと、お嬢様にお届け物にございます」


『お届け物?』


「先ほど、馳様のご友人だという近衛様が届けてくださいました」




桃乃園学院と印字された箱を開けると、そこには制服が入っていた。




「お嬢様、これは…」


『私、桃乃園学院に転入することにしたの』


「本当に、よろしいのですか?」


『え…?』


「最近のお嬢様は、ご友人もできて、学校へ行かれるのが楽しそうでしたので」


『そう? 桃乃園でも友達はできるよ。ほら、天馬くんも一緒だし』


「ええ…、そうですね」




残念そうに少しうつむく藤岡から箱を受け取り、部屋へと向かう。


…もう、決めたの。


私は明日、英徳を辞める。









退学届を持って、学園長室へと向かう。


結局、最後まで音に会えなかった。


愛莉にもお別れ言いたいけど…、きっと怒って、口効いてくれないかもな…。


通りがかった生徒サロンから、そんなふうにC5サロンを見上げていると、大きな声が聞こえてきた。




「お願いですっ、話を聞いてくださいっ! 神楽木さん!」




男子2人に肩を抑えられながらも、何度も何度も叫びつづける女子生徒の声に、平くんが階段を降りてきた。




「何故まだここにいる? 早急に退学届を提出して、この学園から立ち去れ」


「私…、英徳にいたいんです。この学園が好きなんですっ。お願いします…!」




膝をついて訴えかけるその姿に、胸が痛くなる。




「……庶民狩りに、例外はない」




でも私には、何もできない。


もう、ここを出て行くんだ。


“ ひとりの女性との出会いにより、司坊っちゃんは変わった ”




私には…、神楽木を変えることなんて、できない。



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I(プロフ) - ねここさん» ねここさーん!またお話できて嬉しいですっっ。毎日来てくださりありがとうございます☆ …私と好みの相性がバッチリですね(笑)これからも、ねここさんが楽しんでもらえるよう書いていきます!またお話しましょう♪ (2018年6月17日 2時) (レス) id: 020c5bbf85 (このIDを非表示/違反報告)
ねここ - 神楽木と花沢類がだいっすきなので最高です><ほんとこの小説大好きです!(*^^*) (2018年6月16日 22時) (レス) id: a4296a5a43 (このIDを非表示/違反報告)
ねここ - やばーい!はやく続きが読みたいです\(^o^)/前にはじめまして!でコメントさせていただいたものです!(笑)毎日みにきてます!(笑) (2018年6月16日 22時) (レス) id: a4296a5a43 (このIDを非表示/違反報告)
I(プロフ) - おもちさん» おもちさん、読んでくださりありがとうございます!!毎日楽しみに待ってくださるだけでも嬉しいのに、こうしてお話できるなんてとっても幸せです(*^o^*) 読みやすいように構成には一番気を遣っているので褒めてもらえて、すごくパワーもらえました!頑張ります! (2018年6月13日 23時) (レス) id: 020c5bbf85 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - お話の構成が上手で読んでいてとても面白いです。毎日密かに更新を楽しみにしています(笑) (2018年6月13日 20時) (レス) id: 20265c6f3f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:I | 作成日時:2018年6月8日 22時

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