81. どうして…？ ページ37
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「Aがいたから、僕は今でも前を向けてる。ずっとAが心にいて、助けられてるんだ」
『天馬くん…』
「だから、Aのことは僕が守る。絶対にだ」
“ Aのことは、僕が守ってあげるからね ”
何度だって、そばで言ってくれたこの言葉を。
いつだって、私を守ってくれたこの両手を。
もう……離さなくてもいいの、？
その瞬間、天井に備えつけられているスプリクラーから突然、水が吹きだした。
濡れないよう近くの棚の下でかがみながら、天馬くんが私の体を覆う。
すると、私を呼ぶ声が聞こえてきた。
「Aっ！」
『……神楽木？』
「馳、俺の仲間が…」
「何度、Aを危険な目に遭わせれば気が済む！」
ずぶ濡れになりながら探しにきてくれた神楽木の姿に、天馬くんは怒りを表す。
「二度とAを陥れるなって言ったはずだよな？」
『天馬くん、違うのっ。神楽木は悪くなくて…』
「A、」
『悪いのは……ぜんぶ私で、』
違う。こんなふうになったのは、愛莉ちゃんにこんなことをさせたのは……
「覚えておけよ、神楽木……Aを守るのはお前じゃない」
「……っ、…Aを送ってやれ、」
「言われなくてもわかってるよ」
行こう。そう言って天馬くんは私の手を引いて、神楽木をひとり残しこの場を後にした。
それから天馬くんのお家の車に迎えに来てもらい、私の家へと向かっていた。
タオルで髪を拭きながら、ふとあの絵本のことを思い出す。
『子どもの頃に読んだ絵本、覚えてる…？ “ 紫の花のひめ” の話』
「どんな話、だっけ？」
ある国に、誰からも愛されるお姫様がいた。
そのお姫様は夜になると、美しい紫の花に変身した。
そして誰も嗅いだことのない良い香りで人を惹きつけ、近づいた人をとりこみ、食べてしまう。
でも、最後はどうなるんだっけ…。
「神楽木や、あの女の子のこと気にしてるの？」
『……少しだけ』
「まぁ、僕はそんな優しいAが好きなんだけどね」
そんな天馬くんのまっすぐな言葉にまだ、正直に頷けない自分がいる。
それに神楽木のあの顔が、さっきからずっと…離れない。
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I(プロフ) - 美紀さん» 美紀さん、ありがとうございます！！！…そんなそんなっ、読んでくださるだけでも有難いのにタメ語でお話するなんて恐れ多いです〜…((+_+)) (2018年5月31日 1時) (
レス) id: 408ad8cdff (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 移行おめでと(^^♪作者さんタメでいいよ (2018年5月30日 19時) (レス) id: 39e38305d9 (このIDを非表示/違反報告)
I(プロフ) - 由良さん» 由良さん、お読みいただきありがとうございます！！たったいま更新したので、ぜひお楽しみください(*^-^*) (2018年5月29日 21時) (レス) id: 408ad8cdff (このIDを非表示/違反報告)
由良 - 更新楽しみにしてまーす！ (2018年5月29日 16時) (レス) id: 3c3c648279 (このIDを非表示/違反報告)
I(プロフ) - 蓮さん» いえいえっ、蓮さんの後押しがなければ書くことができなかった作品なので、蓮さんに読んでもらえて本当にうれしいですっ！！ たったいま更新したので、ニヤニヤしながら(できるかしら笑)お読みくださいっ☆ (2018年5月26日 17時) (レス) id: 020c5bbf85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：I
| 作成日時：2018年5月22日 18時
