72. 一言じゃ言えない ページ28
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“ Aのこと、もっと知りたいって思うのは……僕だけなのかな ”
“ Aは、どう思ってる？ "
あの日から、天馬くんと直接話していない。
私もだよ。そんな簡単な言葉が、でてこなかった。
なんであのとき、すぐ返事できなかったんだろう…。
【天馬くん】と表示されたスマホの画面を見つめたまま、夜は更けていった。
「ねえ、」
『重い…』
「Aのどこが好きなの？」
ソファーに座り、ランニングシューズを履こうとする俺を背もたれに、愛莉が寝転がる。
『なんだよ、急に…』
「いいじゃない、教えてっ？」
『そんなの…、一言で言えるかよ』
「え〜？ しいて言えば…？」
あいつの好きなところなんて、あげたらキリがない。
“ 神楽木には、神楽木なりの良さがあるはずだよ ”
完璧じゃねえけど、俺には俺なりの良さがあると教えてくれたこと。
“ 神楽木は、そんなことするわけないなって ”
なんにもできなかった俺を、信じてくれたこと。
“ たまに素直なところも、優しいところも、あんたのいいところだなって ”
俺をちゃんと、ひとりの人間として見てくれるところ。
あいつのことを想うと、なんか胸ん中があったかくなる。
「いい顔するね、賢人。Aのことになると、そんなふうになるんだね」
…いい顔？
なんて思ってたら、愛莉が俺の開運グッズの棚に近づき、“ 脇に挟むと幸せゲット君 ” をいじりだした。
『あっ、おい！ 勝手に触るなっ』
「いいじゃない、減るもんじゃないんだし」
『減ーる！ これを脇に挟むとだなっ…おい、触るなっ…』
しつこく触ってくる愛莉から阻止しようと体をひねったとき、ドアの前で親父が俺たちを見ていた。
そして、溜息をついて去っていく。
俺はこのときまだ、知らなかったんだ。
お前との１つの繋がりが、ちぎれそうになっていたなんて。
「小林、Aというのは花沢さんのところのお嬢さんか？」
「はい、仰る通りでございます」
「本当に、賢人にふさわしい相手か？」
「え…？」
「賢人に言っておけ。人を見る目を養え、これ以上私を失望させるな、と」
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I(プロフ) - 美紀さん» 美紀さん、ありがとうございます！！！…そんなそんなっ、読んでくださるだけでも有難いのにタメ語でお話するなんて恐れ多いです〜…((+_+)) (2018年5月31日 1時) (
レス) id: 408ad8cdff (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 移行おめでと(^^♪作者さんタメでいいよ (2018年5月30日 19時) (レス) id: 39e38305d9 (このIDを非表示/違反報告)
I(プロフ) - 由良さん» 由良さん、お読みいただきありがとうございます！！たったいま更新したので、ぜひお楽しみください(*^-^*) (2018年5月29日 21時) (レス) id: 408ad8cdff (このIDを非表示/違反報告)
由良 - 更新楽しみにしてまーす！ (2018年5月29日 16時) (レス) id: 3c3c648279 (このIDを非表示/違反報告)
I(プロフ) - 蓮さん» いえいえっ、蓮さんの後押しがなければ書くことができなかった作品なので、蓮さんに読んでもらえて本当にうれしいですっ！！ たったいま更新したので、ニヤニヤしながら(できるかしら笑)お読みくださいっ☆ (2018年5月26日 17時) (レス) id: 020c5bbf85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：I
| 作成日時：2018年5月22日 18時
