59. 幸せをくれるひと ページ14
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「いいのか？ 入院するはずだったんだろ？」
『でも、お兄ちゃんがものすごく心配してて…』
病院のエントランスを神楽木と並んで歩く。
神楽木が失神してるあいだにスマホを開くと、お兄ちゃんから無数の連絡が届いていた。
慌てて掛け直すと、２日ぶりに聞く声は元気がなくて…
“ いまどこ？ 病院？ なんで？ 今すぐ行く ”
“ だ、大丈夫だから！ ”
“ 俺、Aが死んだら生きてけないよ…？ ”
天馬くんには申し訳ないけど、やっぱり帰らなくちゃ…って。
「英徳までお前のこと迎えに来てたもんな」
『え？』
「あのあと、花沢さんと偶然会ったんだよ」
『お兄ちゃんに？』
「あぁ、会社がもう大丈夫になったみたいで」
え、無事に解決したの…？
「それと、お前に聞きたいことがあんだけど…」
『なに？』
「寄付金…、なんで払ってなかったんだ？」
聞いていいのかわからない、そんな不安そうな顔で私を見つめる。
わかってた。寄付金を払わなければ、英徳にいられないって。
でも…、
『だって、私はなんにも持ってない人間だから』
『血の繋がらない私を育ててくれて、学校まで行かせてくれて……そのうえ寄付まで頼むなんて、できなかった』
「……お前は、なんにも持ってない人間なんかじゃねえ」
『え？』
「ぁ、そうだ…これ、」
思い出したようにジャケットのポケットから何かを取り出す。
…豚？
「これ、Aにやる」
『はぁ？ だから、Aって呼ばないでってさっきも…』
「これはな、悪い運気を吸い込む金の豚だ」
(って、また話聞いてないし…)
『ほんと好きだね…、』
「だってお前、最近ツイてねえんだろ？」
『…神楽木が言う？』
「効果はバッチリだから期待しとけっ」
ほら、そう言って私に金の豚を手渡す。ポケットにしまうと、満足そうに笑った。
『ぁ、じゃあ……私も、これ返す』
「…いいのか？」
『うん、これでカリスマ性に磨きかけてね？』
「ば、ばかにすんじゃねえ！」
ずっと鞄の中に入れていた火星の石を、神楽木に返す。
もう、これで脅したりしない。
そんなことしなくたってきっと、神楽木なら……わかってくれる。
『ふふっ、じゃあ……また明日ね』
「おう、また明日！」
また、明日。
そう嬉しそうに、私を見送っていた神楽木を傷つけることになるなんて。
このときはまだ…、知らなかった。
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I(プロフ) - 美紀さん» 美紀さん、ありがとうございます！！！…そんなそんなっ、読んでくださるだけでも有難いのにタメ語でお話するなんて恐れ多いです〜…((+_+)) (2018年5月31日 1時) (
レス) id: 408ad8cdff (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 移行おめでと(^^♪作者さんタメでいいよ (2018年5月30日 19時) (レス) id: 39e38305d9 (このIDを非表示/違反報告)
I(プロフ) - 由良さん» 由良さん、お読みいただきありがとうございます！！たったいま更新したので、ぜひお楽しみください(*^-^*) (2018年5月29日 21時) (レス) id: 408ad8cdff (このIDを非表示/違反報告)
由良 - 更新楽しみにしてまーす！ (2018年5月29日 16時) (レス) id: 3c3c648279 (このIDを非表示/違反報告)
I(プロフ) - 蓮さん» いえいえっ、蓮さんの後押しがなければ書くことができなかった作品なので、蓮さんに読んでもらえて本当にうれしいですっ！！ たったいま更新したので、ニヤニヤしながら(できるかしら笑)お読みくださいっ☆ (2018年5月26日 17時) (レス) id: 020c5bbf85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：I
| 作成日時：2018年5月22日 18時
