4日目 ページ2
連絡先を交換した次の日。
私とマツリが『ウーユリーフの処方箋』に来てから4日がたった。
「アンタ達はどーすんの?」
いやいや出勤してきたキリオが、私達に問う。今日は珍しくミトもカナタもいた。
ノゾミはキリオと一緒に10階に行くらしい。
「マッツンとちゃんマイは?どこ行くの?」
「俺は…他の部署も見てみたいな。何かあるかもしれない」
「じゃあ、俺はマツリについてく。
ミトは大丈夫だけど、お前は危なっかしいからな」
正直どの口がそれを言うのか、なんて思ったけど、マツリがいるなら私も着いていこうかな。そう思って「私も…」と口を開きかけたときだった。
「マイちゃん、一緒に食堂行こ」
「あ…うん、いいよ!」
これまた珍しくミトに誘われた。本当に珍しい(何回目?)し、色々話したいこともあったから、断る選択肢はなかった。
「………わかった。じゃあ行くか、カナタ」
「お、おう」
マツリがやけにミトから目を逸らして踵を返す。カナタもそれに続いて「じゃーな」とこちらに手を振った。
ふと、感じた違和感。
何かは分からない。けど、このままカナタと別れたら、何か…何か、駄目な気がする。
「………?マイ、どうした?」
「えっ……」
自分でも気付かぬうちに、私はカナタの服の端を掴んでいた。理由はわからないけど…体が、勝手に動いていた、という表現が1番適している気がする。
――このまま、カナタが戻ってこなかったら?
そうだ、昨日の夜からカナタはどこかおかしかった。キリオの…設定資料を見たときから。それに触発されて、何か嫌なことが起こりそうで…。
「…ちゃんと、戻ってきてね」
「!……………おう」
違和感は感じれど、何をしていいのかわからない。故に、今の私はそれを言うことしか出来なかった。
…ごめんね、カナタ。私、気付いてたんだ。
答えたときの貴方の顔が、寂しそうで苦しそうな笑顔だったことに。
「……………………………………」
ミトが、何も言わずに私を見つめていた。
19人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
如月慧音花(プロフ) - いつもありがとうございます!(*^_^*)もう……書いてる時もしんどくて(でも楽しい)……一応まだ続くんですよ(ボソッ (2021年2月8日 15時) (レス) id: e44a9745ad (このIDを非表示/違反報告)
サーナ(プロフ) - 如月様、お疲れ様です!とうとうエンディングが近くなってきましたね…。どんどん切なくなっていく中、とうとう推しも消えてしまい……正直ボロ泣きしてました(泣)どんな最後になるのか、今からでも楽しみです!これからも頑張ってください!(≧∇≦)b (2021年2月7日 17時) (レス) id: b8fd1604f5 (このIDを非表示/違反報告)
如月慧音花(プロフ) - えっ…?(困惑)ありがとうございます私も好きです(??) (2021年2月7日 8時) (レス) id: e44a9745ad (このIDを非表示/違反報告)
モブサイコ100(プロフ) - アッアッアッ…………泣くって…………泣くしかないって…………ヤダ…好きです(唐突な告白) (2021年2月7日 1時) (レス) id: 6acf3cee05 (このIDを非表示/違反報告)
如月慧音花(プロフ) - ありがとうございますー!!もうホントサーナさんには感謝しか出ないです…!そうですね(笑)マイちゃん…結構苦労人ですからね、頑張ってほしいです(笑) (2021年1月5日 0時) (レス) id: e44a9745ad (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:如月すや | 作成日時:2021年1月4日 14時