花のち晴れseason1 (ページ30)

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まだAは来てない。
あいつなにしてんだ？

「神楽木さん！」

C5サロンにいる俺を下から生徒が呼ぶ。

「神楽木さんまじ尊敬です！」

「まさか自分の彼女転入させちゃうなんて！」

晴「…は？」

なにいってんだ？

晴「どうなってんだ…」

めぐみ「あ、晴くんおはよう！もう～ちゃんと挨拶ぐらいしなよね」

愛莉「海斗、あんたが西留めぐみを英徳に転入させたの？」

海斗「そうだ」

愛莉「一体何考えてんの？」

わざわざ英徳に転入させるなんて、理解不能。

海斗「全ては英徳の品格を保つためだ。
今朝、西留めぐみが英徳学園に転入するとSNS上で発表した。
このSNSの更新後から、英徳への転入希望者がこれだけ殺到してる」

タブレットには、今までとは比べ物にならないくらい希望者が増えていた。

一茶「え、凄いね！今まで減る一方だったのに」

杉丸「西留めぐみ、強い」

海斗「あぁ、期待以上、恐るべき効果だ」

愛莉「だからって…ねえ、晴も黙ってないで何か言いなよ。あの女絶対晴目当てで転入してきてるよ？」

海斗「あぁ、神楽木晴がいる学園なら是非、と」

愛莉「いいの？あんな女にうろちょろされたら、Aに勘違いされちゃうよ？」

晴「Aっのは関係ねえ」

愛莉「何言ってんの？」

晴「……今日は帰る」

立ち上がって歩き出した晴を、海斗が呼び止めて。

海斗「英徳のために、西留めぐみと付き合え」

愛莉「海斗それ本気で言ってんの？」

海斗の言葉など無視して出て行った