いやあのちょっと、これには訳が…【暗殺教室】 (ページ4)

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4．優しい人たちページ4

翌日、磯貝悠馬くんの案内のもと、椚ヶ丘に向かった。どうやら私は差別対象のクラスの人間みたいだ。

　黄色くてやたらと大きい殺せんせーは暗殺対象。
　今気づいたが、私の元いた世界とこの世界の季節は同じらしい。つまり、テストはもうすぐだと思う。
　なぜか私の記憶がないことを、みんなあっさりと受け入れてくれた。私の席は、奥田さんというメガネの子の後ろ。奥田さん、なんか向こうの世界の友達に似てるなあ。懐かしい。

　磯貝悠馬くんは前の方の席なので、少し心細い。いや変な意味ではなくて…。
なんか、隣の席には箱型の女の子がいるし、反対側の隣には赤髪の男の子がいるし…。警戒が絶えない。

　やたら大きい殺せんせーは、湿度の関係で33％ほど膨張しているらしい。せんせーみたいな生き物の生息分布ってどこだろう…？

　昼休みには、みんなが自己紹介などしてくれた。『私』は片岡メグちゃんと仲がよかったらしい。

　時は移り放課後。私は誘われたので、茅野カエデちゃん、潮田渚くん、杉野友人くん、岡野ひなたちゃんと下校した。とそこで、岡野ひなたちゃんが「前原だ」と声をあげる。
　前原陽斗くんは、女の子と相合傘をしていた。杉野友人くん曰く、C組の土屋果穂さんだそう。見ているだけで照れてくる。とっさに私は顔を覆った。
　ウブだねぇ、と茅野カエデちゃんに揶揄われながら、前原陽斗くんの様子を伺お…うとしたら、背後から特徴的な声。殺せんせーだ。生徒のゴシップを集めているらしい。

　…ほ？？C組の土屋果穂さんに近付くセオとかいう男の人。漢字は瀬尾だろうか。ともかく、瀬尾くんというらしい。E組の人ではないからわからない。
　あぁ、なるほど。C組の土屋果穂さんは瀬尾くんという新しい彼氏ができたが、前原陽斗くんをキープしていた、と。

　なんて最低な人だ。人の気持ちを、こうも踏みにじるなんて。
　最低、最低。