1.平和な日々は唐突に ページ1
平和な日々。それがいとも簡単に崩れるなど、余程の人でない限り考えない。
試験前のちょっとした緊張感が私は好きだ。お腹の奥がきゅっとなる感じが。そんなことを友達に言ったら、何言ってるのと笑われたが。
期末1週間前。例年より少し遅めの梅雨で毎日湿気が凄い。髪の毛はまとまりにくくてイライラするが、雨は嫌いではない。しとしと降る、慎ましい女性のような雨や、ぱらぱらと降る元気な雨も、何故かはわからないがテンションが上がる。
今日は雨が降っておらず、傘をさす必要がなかった。つまりは、歩きながら参考書を読むことが可能なのだ。
私がもっとも苦手とする社会科。今回の範囲は第二次世界大戦から。ただ黙々と暗記をするだけである歴史はどうにも好きになれない。
と、その途端、一瞬浮遊した。驚き桃の木山椒の木〜。案外冷静になるものだ。こんな誰も笑わないようなギャグが不意をついて口から飛び出るくらいに。
そしてゴンっという鈍い音。それが自分の頭によって出たものと理解するまで軽く10秒はかかったね。頭を触ってみるとヌルっとした感触。そして生暖かい。血だ。ああ、そっか。私死ぬんだ。死因がマンホールに落下とか一生ものの恥だよ。って、もう死ぬのか。
あーあ、今回の社会科は点数取れる気がしたんだけどな…。まあこれが私の人生だったんだ。
とか思っていた時期もありました。
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作者名:はまち | 作成日時:2019年7月13日 11時