枯れた花に水を挿すこと/条野 ページ8
* * * * * * * *
「たまには私の話も聞いて下さい、華」
条野に呼び捨てされるのは、初めてだった。
真剣な声に、思わず顔を上げる。
いつの間にか足が止まり、私達は青々とした木が茂った、人気の無い道で、立ち止まっていた。
午前零時のヨコハマの片隅は、まるで、人間が世界から消えたみたいに、
静かで、落ち着いていた。
「私は貴方が好きです」
「……………は?」
突拍子も無い言葉に言葉を失ってしまって、
何時ものように返す事が出来ない。
「だから、貴方に死なれてしまったら困るんです」
でも、きっと、声が出ても。
私は云い返す事は出来ないだろう。
文句が浮かばない。
状況が上手く呑み込めず、そして私がこのような状況に対面したことがないからだ。
「勝手に死ぬなんて赦しませんからね」
条野は、まだ理解できず目を白黒させている私を無視して、
前を向いて早々と歩き始めた。
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
そんなの一方的過ぎるじゃないか。
「へっ、返事くらい聞きなさいってば」
「別に私が好きだったら、それで佳いじゃないですか」
「私が貴方の事嫌いだったらどうするの?」
私がかっとなって云い返すと、条野は黙り込んでしまった。
拙い事でも云っただろうか。
「嫌いでも、貴方の自由ですから」
「お前も馬鹿なニヒリストだな‼」
照れ隠しとばれるだろうか。
若しかしたら、もう既にばれているかもしれない。
「貴方の為に生きてあげるよ、条野」
午前零時のヨコハマに、少しづつ影が映り始める。
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
22人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
抹茶党 - ドスさんと末広さん推しの抹茶党でございます。どんどん鉄っぁん(鐵腸さん)書いて下さっていいんですよ!?ネタ提供として(夢と葉桜)と言う曲と(上弦の月)が末広さん夢に合いそうな気がします。どうでしょうか? (2018年7月12日 21時) (携帯から) (レス) id: 28273e2d77 (このIDを非表示/違反報告)
涼水蓮 - 猟犬いいですよね!私も探していたのですがあまりなくて…。作ってくださってとても嬉しいです! これからもちょこちょこ覗きに来ますので、更新頑張って下さい!!応援しています(*´∀`) (2018年7月9日 23時) (レス) id: e5ae371d78 (このIDを非表示/違反報告)
怜希(プロフ) - オリジナルフラグを外してください。オリジナルフラグのレ点を外すだけです。違反ですよ。 (2018年7月5日 2時) (レス) id: a102b15976 (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグちゃんと外しましょう。違反行為です (2018年7月3日 7時) (レス) id: 090374d4cd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:川寺華 | 作成日時:2018年7月3日 0時