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迅さんらしくない命令口調だった
いつもなら「くれないか?」って言うのに
「あ?ンでだよ。ゼンブ見えてて助けなかったんだろ」
「いいから」
「無理だワ」
うおーい、めっちゃ修羅場ー
あれ言ったほうがいい?
私のために争わないでっっ!
って
「は?」と意味わかんねーと言わんばかりに迅さんが顔を歪めた
やっぱり言うのやめとこうかな!
「コイツの部屋に連れてく」
「残念だけど、お前には教えられない」
「ツバサから聞く」
歩き出そうとする影浦くんを阻むように迅さんは前に立つ
なんとなく焦ってる気がする
「ボーダーの問題児がツバサを無事に届けられるほどの信用があると思うか?」
「ッ!」
「…」
今にも手を上げそうな影浦くんの隊服の袖を掴む
目を合わせてくれて、落ち着いてとアイコンタクト
決して深くはないが深呼吸をして、怒りを収めたようだ
迅さんは瞳孔を開いて、小さくなにかを言っているようだった
「─じゃあもう力ずくで…!」
「力ずくで」。そう聞こえた
途端に迅さんから殺気が散布される
本能的に体が動いた
影浦くんの腕の中で少し休んでいたとはいえ、まだ重く感じる体にムチを打った
体を捻り、横抱きから脱出する
迅さんはスコーピオンを生み出し、供給機関に狙いを定めて腕を伸ばしていた
私が影浦くんを守るように立って、ターゲットが影浦くんから私に代わっていることも気づかずに
「迅さん」
迅さんは名前を呼んでようやく気づいた
目から光がなくなっていたのが戻る
自分がやろうとしていたことにひどく驚いている
「っツバサ、、」
「迅さん。謝って
自分がなに言ったか分かってる?いったいなにをしようとしてたか分かってる?」
珍しいかもしれない。私が人前でこんなに怒るのは
けれどそれほどのことを迅さんはしたのだ
「でも」と言う迅さんに、もう一度「謝って」と言うと影浦くんに素直に謝った
「わたしからも、ごめん。迅さんは本当にそう思って言ったわけじゃないの。元はと言えばわたしが悪いし」
そう。倒れたのに今日休もうとしなかった私のせい
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ツバサ(プロフ) - 沙羅さん» うわあ、私承認欲求の塊人間なんで、コメントすごく嬉しいです!!この連休中に死ぬ気で書きます!!待っててください!頑張ります!! (2022年9月24日 18時) (レス) id: 1052176700 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - 夢主ちゃんの病気とはなんなんだぁ!!??!?幸せになってくれぇ!!??!更新待ってます。応援してます! (2022年9月23日 21時) (レス) id: f64d60a5d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ツバサ | 作成日時:2022年9月5日 2時