かみもり ページ7
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『おはようございますー』
めっちゃ眠そうに入ってきたのは俺達の姫のA。
朝が弱いから、早い現場にはすっぴんの髪の毛は寝癖そのままで現場入りする。
今日はその日や。
神「おはよ」
『眠い〜死んでまう〜〜』
神「死なへんからはよ荷物置いて座って」
やから、そんな日は俺が髪の毛を櫛でといであげる。
Aも、それに甘えるようになって寝癖の頻度が上がった気がする。
『いつもいつもすみませんねえ』
神「今日はまた爆発的なアートですねえ」
座ったAを確認して、櫛と寝癖スプレーを取り出す。
神「目瞑っててな」
スプレーのミストが目に入らないように毎回言うセリフ。これを言われたあとAは素直にギュッて目を瞑るから可愛い。
神「はい、開けて」
ゆっくり目を開けて何回かぱちぱち瞬きをすると、自慢のAまつ毛が揺れる。
『やっぱり一家に一台神ちゃんやなあ』
神「なんやねんそれ(笑)」
『ドラえもんより便利、一緒に住む?』
アホかって笑おうとしたら奥でのんちゃんがあかんって叫びだしたから掻き消された。
ほんまのんちゃんは不憫やなあって思いながら、次は櫛を通してく。
これが好きなのかAは少し擽ったそうに口角が上がる。
『やっぱり一緒に住もうよ神ちゃん』
神「のんちゃんに殺されるの嫌やもん」
『えええ、小瀧のせいかよ最悪〜〜』
望「なんでそんなこと言うん!A俺と一緒に住も!!」
『ストーカー予備軍からストーカー発言やで。それ』
望「なんっでやねん!!」
あーあ、せっかくの俺の時間がのんちゃんに取られたなあって思いながら寝癖の直ったサラサラの髪に指を通す。
『ん、終わり?』
神「うん終わり、次からちゃんと自分でするんやでー」
『はーーい!』
絶対せえへんのに笑顔で嘘つく俺達の姫はやっぱり可愛くて憎めへん。
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作者名:なつめ | 作成日時:2019年4月20日 15時