05.お兄さんチーム ページ6
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大野さん、と櫻井さんは高校時代からの親友らしい。
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翔「高3！わっかいなぁ！」
智「翔ちゃん、その言い方おっさんぽいぞ」
翔「お兄さんな」
智「こだわるなぁ(笑)」
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櫻井さんはスーツ姿。この人が翔さん、らしい。
このお店にやってくるなり大野さんと親しげに話して、私の席の真っ正面にやってきて
「こんにちは」って挨拶されたので「こんにちは」と返すと「ここいい？」と聞かれたので別に断る理由もないので「はい」と答えた。
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ここからおよそ40分。栄えている街でサラリーマンをしている、と櫻井さんは言った。
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翔「いいなぁ、高校生。俺も戻りてぇー」
智「ほらこの子困ってるぞ。なぁ？」
「…あ、いやそんな」
翔「あ、智くん。この子の名前なんていうの？」
智「わかんね」
翔「…っえ？」
智「聞いてねぇや。なんていうの？」
翔「ちょっ、タンマ！…え、智くんの知り合いじゃないの？」
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くりくりした瞳がビクビクと私を上目遣いに見てきて、ふるふると首を横に振れば
「まじかーーー！」とオーマイガーの体制に入る櫻井さん。
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翔「えっ、いやごめん。ほんとごめん。開店前にいるお客さんなんて久しぶりだったからてっきり智くんの知り合いだと思ってた」
「…あ、いや」
翔「うわー。いきなり親しげに話しかけてきた変なおじさんじゃん、俺」
智「あ、おじさんって認めた(笑)」
翔「ごめんね。迷惑…だった、よね？」
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大きな両手で顔を覆っていた櫻井さんが、指の隙間から私の様子を伺ってくる。
なんだか大の大人がそんなことをしていることが、可愛らしくて、そして面白くて、珍しくて。
「全然大丈夫です、むしろお話できて嬉しいです」って正直な気持ちを伝えると一気に櫻井さんの顔が晴れやかに。
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翔「聞いた？智くん。めっちゃいい子だよこの子」
智「そうやな」
翔「名前、聞いてもいい？」
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すう、と息を吸って
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「Aです。遠藤A」
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そう答えると「Aちゃんね」と二人に微笑まれる。
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ブルーハワイのかき氷の味が
少し甘く酸っぱく感じた。
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