3.治療 ページ5
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「え……治してくれるんですか?」
「嗚呼、勿論だよ」
そう云われて「お願いします」と頼むと隣に居た眼鏡の男性が「……やめたほうが良いと思いますよ」と云っていた。
_____どう云う意味だろうか。
そんな事を考えながら私は医務室に連れられてベットに寝かされ何故か固定されて……
「今日は此奴を使おうか」
「え、一寸待って下さい!」
躯に鉈を振り下ろされた。因みにこの時の私の「ぎゃあああああ」と云う悲鳴は探偵社内に響き渡った……との事だ。
「凄い……古傷まで綺麗に治っている」
目を覚ますと今日できた火傷の怪我だけに限らず数年前から有る銃痕まで治っていた。
「有り難うございました。お陰様で助かりました」
「其の様な怪我を何処で負ったのですか?」
先程助けてくれた女の人が居なかったので眼鏡の男性に御礼を云うと質問を返された。
「嗚呼、目の前の屯所が爆発しましてね……解っていたので直ぐに避けたんですけど巻き込まれました」
「……解っていた?」
「あ、云ってませんでしたね、私見えるんですよ……数秒先の未来が」
「……お前異能力者か?」
「うーん……まぁ一応?」
数秒の間沈黙が流れると男性が溜息をついていたので、鞄から紙を取り出し携帯の電話番号を書いておいた。
「……名前は?」
「こう云う時は自分から名乗らないと駄目ですよ」
「……国木田独歩だ」
「私の名前は西川Aです。この御礼はいつか必ず返します。何か有りましたら此の番号に電話して下さい。三十分以内に駆けつけます」
何だか嫌な予感がしたので先程の紙を差し出しながらそう云って逃げる様に探偵社を後にした。「おい、待て!」と声がしたはきっと所為だろう。
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作者名:山田 | 作成日時:2018年3月21日 11時