【文スト】綺麗な世界の片隅で (ページ4)

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2.ビルページ4

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「この方向は……何故探偵社が……」

そう云って少年は走り始めた。突然のことで私は驚いて固まってしまったが気になったので急いで着いて行くことにした。

「やめろっ！」

襲撃を受けていたビルに乗り込むと其処は所謂“混沌”と云う状況だった。

「えい」と言いながら敵を殴り人の山を作ってる少年、美しく相手を蹴り飛ばす女性……極め付けは……

「やっと帰ったか小僧！」

此方を振り返りながら何処かで見たことがある老人の手を折っている男性がいた。

「……あの手を折られている人……私が前にゲームクリアできなくて包帯野郎に言われてゲーム機渡したらリセットしやがった阿保だ」

昔のことを思い出し何だか無性に腹が立っていた時、窓から倒した敵を放り投げている少年がいたので尻馬に乗って私もどさくさに紛れて窓から放り投げようとしたらいきなり目を覚ました。

「……っ！貴方は……」

「あーあ起きちゃったんですか……でも安心して下さい起きてても寝てても痛さは変わらないので、其れに此処から落ちたら私の顔くらい忘れると思いますよ」

笑顔でそう云うと一瞬彼が怯んだのでその隙に思い切り放り投げる。

「此れで恨みは晴れた」

清々しい気持ちで窓の外を鼻歌を歌いながら見ていると後ろから探偵社の社員らしき眼鏡の男性が声を掛けて来た。

「お騒がせしてしません。依頼なら……」

「あ、違います。でも一つお願いがありまして何か火傷の手当てをできる道具をお借りできませんか？」

そう云うともう一人の女性が獲物を見つけた様な顔で「おや？怪我してるのかい？妾が治してあげようか？」と云いながらやって来た。