王様ゲーム【ホラー松】 (ページ34)

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二十二話　黒緋ページ34

プツン

何かの音

音小さな音

一つの音

命の音

切れた音

消える音

消えた命

命が切れた音

そう

カラ松は

死んだ

三人は青ざめている

闃は笑っている

トド松は涙を流している

「カラ松」

「カラ松、兄さん？」

「クソ松……………カラ松………兄さん」

三人は悲しみの涙を流す

「………ふ、ふふふふふ、あははははっ、あははははははははは！！！死んだ、死んだ、死んだ！最後は呆気無く死んじゃった！！カラ松兄さん死んじゃった！あはっあははははっ！！！………

　
…死んじゃった

殺しちゃった

僕

人殺し？

ねえ、誰か

　

教えてよ」

『あぁ。お前はカラ松を殺した

人殺しだな』

そう呟かれた闃の言葉にトド松は

「……そっかぁ。ぼく、人殺しちゃった？カラ松兄さん殺しちゃった？
でも…十四松兄さんのためだよね？

ふふふふふ

あれ？

涙が

止まんないやぁ

誰か

(僕を)

止めて？」

トド松は呪われている
トド松は壊れている
トド松は可笑しくなっている
トド松は泣いている
トド松は啼いている
トド松は
(本当は)
トド松は
(殺したくなかった)
トド松は？
(でも)

どうする？
(憎しみが、強かったんだ)

「あーーーーはははっ。殺し、そんなに楽しくないや」

ずっと涙を流しながらトド松は

「あーあ。…………はらしたはずなのに、なんでこんなに」
(殺したくなかったのになんでこんなに)

「悲しいんだろう？」
(憎いんだろう？)

「ねえ兄さん達何でだと思う？」
(ねえ兄さん達どうして？)

トド松の眼の色は

桃ではない

黒でもない

黒い

緋

黒緋(くろあか)

濁った

眼

狂った

眼

けれど

そんな狂った眼をしていても

何故

彼は

「…わかんないよね。そうだよね。うん。わかってる。僕の只の自己主張だったんだって。只の僕の我儘にカラ松兄さんが犠牲になった。そしたら僕も人殺しになった。うん。僕が悪いんだよね。だからさ

一松兄さん

さっきみたいにさ

僕も

殺してよ」

幾度となく涙を流しているのか
………………………………………………………
何かどんどん死んでってる？！あ、安心してください、happyendですよ！！