419.相澤 ページ19
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｢相澤先生。緋龍なら寝ちゃってますよー？｣
そう言う上鳴の視線の先はソファに向いていて、｢そうか｣と一言、ソファへ歩み寄ればそこには爆豪の膝枕で眠るAがいた。
瞬間、ズキリと痛む心臓。
湧き上がるドス黒い感情をなんとか沈め、16の子供に嫉妬なんかするなと自分に言い聞かせる。
｢ご飯を食べたら眠くなってしまったようで…｣
｢そっか。…Aごめんな、ちょっと起きれるか？｣
気持ちよさそうに眠るAに申し訳ないと思いながら、その華奢な肩を揺する。
数秒すれば小さな呻き声が聞こえ、｢…しょう兄？｣と眠そうな目がこちらを向いた。
｢おはよう｣
｢朝あ…？｣
｢違うよ。明日朝から病院で検査があるから、その話しにきた｣
｢ん"ん"…、また病院…｣
｢護衛の人が一緒に行くから。…あー、ここで寝ちゃダメ、部屋行こう｣
また眠りにつこうと爆豪の膝へ戻ろうとするAの肩を抱き寄せ、優しく持ち上げる。
本当にいつまで経っても子供だな。なんて若干呆れながらも、可愛い寝顔に愛おしさが込み上げてしまう。
｢悪い皆、A1回寝るとなかなか起きないからなるべく部屋連れてってやってくれ｣
｢相澤パパ…｣
｢誰がパパだ｣
そう葉隠にツッコミを入れ、爆豪を見て｢悪かったな｣と一言伝える。
返事は無く、ただ真っ直ぐに目を見つめられた。
彼が良くない気分であることなど分かりきっているけれど、悪いがこれが親戚の特権だ。
｢ん"ん"…？｣
｢A、部屋行くよ｣
｢んん…？かつきは…？｣
腕の中で身をよじらせながら爆豪の名を呼ぶA。
以前から仲が良いとは思っていたが、更に親密になっているのは俺の気のせいだろうか。
｢ここだ｣
｢んー…おやすみー…｣
｢…ン、おやすみ｣
他にも友人がいる中で、爆豪にだけ挨拶をした事が気に入らなくて、思わず顔を顰める。
更には爆豪に｢…頼んます｣と言われるものだから舌打ちまで零れそうだ。
｢…言われなくとも｣
漫画の描写ならば、俺たちの間にはきっと火花が散っていることだろう__
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作者名：HamA | 作成日時：2021年10月9日 7時
