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それから数分歩き、辿り着いたA組寮玄関前。
｢__あっ！待って待って緋龍！俺が開ける！｣
｢…え？｣
当たり前の様に扉に手をかければ、電気が焦ったように私と扉の間に体を滑らせた。
一体なんだと顔を顰めれば、｢まあまあ！｣なんて言って開かれた扉。
__瞬間、鼓膜を揺らすクラッカーの爆ぜる音。
突然の大きな音に目を瞑り、恐る恐る開いた視界に広がるのは色鮮やかな紙吹雪。
その向こうにはA組の皆が見えて、それと同時に鼻をかすめる良い香り。
｢｢｢｢｢｢おかえりー！！！｣｣｣｣｣｣
私を迎え入れる挨拶。
何がなんだか分からなくて、ただ口を開けて佇む私の目の前にはいつの間にか勝己が居て、｢ハッ、口空いてんぞ｣なんてつねられる頬。
そこから伝わる僅かな痛みにああ、夢じゃない。なんて事を考えていれば、頭に乗っていた紙テープが1枚、床に落ちた。
｢…えと、え？…これ…え？｣
自分でも情けないと思うような声が出て、そんな私を見て勝己がまた笑う。
今日はよく笑うのね。…って、そんな事では無くて。
そんな混乱する私にジュースの入った紙コップを差し出してきた焦凍。
｢おかえり、A｣
｢え、あ…ありがとう…｣
白い紙コップの中にはオレンジ色の液体が揺れていて、オレンジジュースか。なんて思いながら焦凍に背を押されソファへと促される。
そのまま流れるように腰を下ろし、それに続くように皆もソファに座り始めた。
さて、本当にこの状況は何なんだと思い始めた頃、その答えは飯田くんによって明らかとなった。
｢では始めよう！！『緋龍くん復学おめでとうパーティー』だ！カンパーイ！！｣
｢｢｢｢｢カンパーイ！！！！｣｣｣｣｣
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作者名：HamA | 作成日時：2021年10月9日 7時
