第31話 ページ32
貴女side
視界が真っ暗ゆえ耳が冴えている
固唾を飲む二人の心音がよく聞こえた
鷹尾「マフィアを裏切った両親はあろうことか
守ろうとした実子の私に殺された
悲惨とはこういう事だ太宰。」
中島「で、でも、マフィアが遅れて到着したのなら
貴女が両親を手にかけたのはでっち上げなんじゃ、」
鷹尾「…私の異能。死霊という名でありながら影と水を操るとは不自然だとは思わないか」
太宰「………確かに、それぞれ異能名を持ちながら死霊と総称があるのも引っかかる…」
鷹尾「私の異能…死霊の本当の力は……
私が殺した相手の異能を扱える力だ」
中島「それじゃ…」
鷹尾「母の異能は海嘯…。父の異能は影絵世界」
太宰「………」
鷹尾「これが現実だ太宰。
裏切り者は報復より残酷な道を辿る
…だから私はお前に抜けて欲しくなかった。
大切な友人であったお前を」
太宰「………」
瞼の上で太宰の手がピクリと動く
鷹尾「……私は両親のような人間を作らないために報復隊になった
残酷な手順を作り裏切りを減らした。」
太宰「A、」
鷹尾「そして次の対象はお前だ、太宰。
そうなる前にマフィアに戻るんだ。」
太宰「……………………今回の話を聞いて
私は決心が着いたよ」
中島「太宰、さん、」
太宰「…A。私は君こそが陽n____」
そこまで発して太宰は手を退けた
視界を遮られ真っ暗だった瞳に光が差し込む
それはまるで太宰が私に陽の光を見せてくれたように錯覚した
だが
それは太宰ではなく
中原「大丈夫か、A。」
鷹尾「…中、也・・・?」
眩しい光の先にいたのは私を抱える中也だった
鷹尾「何故、」
中原「そりゃあとだ」
私を見下ろす優しい表情から厳しい表情に切り替わる
中原「太宰…」
太宰「やあ、中也。久しぶり。」
中也から距離をとる太宰と少年
中島「どうしますか太宰さん」
太宰「君では彼に勝てないしAの異能もある
こりゃ勝ち目ないね。だけど…戦うつもりは無さそうだ」
中原「…フン」
鷹尾「…中也、これを逃せば太宰は、」
中原「もう、いいだろ。」
鷹尾「中也、?」
穏やかな表情に戻り私を見つめる中也は微笑んだ
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作者名:はまち x他1人 | 作成日時:2024年3月18日 2時